園児の置き去りを防ぐため、全国の保育所や幼稚園、認定こども園のスクールバスにブザーなどの「安全装置」を設置することが義務化されることになった。小倉将信こども政策担当相が9月29日、関係府省会議で方針を示した。
5日の静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で3歳の女児がスクールバス内に置き去りになり死亡した事件を受けて、政府が検討を進めていた。
小倉こども政策担当相が示した方針は以下の通り。
1.送迎用バスの安全装置装備について、児童福祉法、認定こども園法及び学校保健安全法等の体系の中で、最も適切な方法で義務化する。
2.送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置(仮称)の仕様に関するガイドラインを作成する。
3.車側の対策である安全装置の装備との両輪として、送迎バス運行に当たって園の現場に役に立ち、かつ、分かりやすく、簡潔な安全管理マニュアルを早急に作成する。
4.安全装置の義務化、送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置(仮称)の仕様に関するガイドライン及び安全管理マニュアルの作成を踏まえ、園を支援するための措置として、全ての園の送迎用バスの安全装置改修支援、安全管理マニュアルの動画配信や研修の実施、登園管理システム等の普及など財政措置を含め、具体策をとりまとめる。
■3児の父が専用ブザーを発案していた。今の思いは?
事件直後から、園児置き去りを防止するためのアイデアが民間から上がっていた。3児の父で一般財団法人「あなたの医療」代表理事を務める畑中洋亮さんが「行政を動かすには、国内に実物があることが大事」として、スクールバスに設置するブザーを発案。1週間ほどで都内のオクト産業 (東京都板橋区)が試作品を完成させた。
15日に、試作品が作動する様子を見た小倉こども政策担当相は「スピード感を持って安全装置を全国のバスに備え付けて頂く。そういう意味でも非常に優れた安全装置なのではないか」と話していた。こうした安全装置は全国の複数の会社で、開発の動きが進んでいる。
前述のブザーの発案者である畑中さんは「国がスピーディーに動いてくれたことは、まさに私が期待していたことでした。多くの人の思いが、この結果に繋がったのだと思います」とハフポスト日本版にコメントした。
その上で、「財政措置が市町村を通すことになると、どうしても時間がかかる。国に窓口を一元化した上でクーポンを配布するなど、一刻も早い措置を願いたいです」と話していた。
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スクールバスへの置き去りを防ぐブザーなどの「安全装置」を国が義務化へ