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「私たちの体は夫のものではない」中絶めぐる状況の改善、団体がイベントで訴え

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「私たちの体は国や夫のものではありません」

「すごく不平等、不正義、性差別がある」

「国際セーフ・アボーション・デー」(アボーション=中絶)の9月28日、安全な中絶へのアクセス保証を求めて活動する団体がスタンディングデモやイベントを行い、日本の中絶をめぐる状況の改善を訴えた。

「私の身体は私が決める!」 

新宿駅前でスタンディングデモを行う梶谷さんら新宿駅前でスタンディングデモを行う梶谷さんら

日本では人工妊娠中絶をする際、原則的に配偶者の同意が求められる。しかし実際には相手が配偶者でなくても同意を求められるケースも少なくない。自己決定できないことで中絶を断念したり、男性の気が変わって手術が中断されたり、更なる負担を強いられる女性がいることも明らかになっている

国際的には中絶に配偶者の同意が必要な国や地域は非常に少数(203の国・地域のうち日本を含む11)で、国連の女性差別撤廃委員会も2016年、配偶者同意の規定を廃止するよう日本に勧告している。

スタンディングでは、この同意要件をなくそうと署名活動などを行う梶谷風音さんらが「私の身体は私が決める!」「#中絶に男の許可はいらない」などと書いたプレートを掲げて「私たちの体は国や夫のものではありません」「安全な中絶を求めるために行動しましょう」などと訴えた。

 中絶の同意要件、緊急避妊薬、包括的性教育─課題の多い日本の状況訴え

新宿駅前で行われたスタンディングデモ新宿駅前で行われたスタンディングデモ

研究者らでつくる団体「#もっと安全な中絶をアクション」が開いたイベントには、妊娠・出産に関わる活動をしている団体の代表や国会議員らが参加。日本の中絶や避妊をめぐる問題点などについて訴えた。

スタンディングデモも行った梶谷さんは「実際にDVを受けて妊娠された方、意志に反して出産を強要された方も少なからずいる」と自ら行ったアンケートの結果を報告。同意要件を撤廃することで「安心して産まない選択や産まない人生を歩めるようにしたい」と強調した。

妊娠に葛藤する人の相談窓口を運営するNPO法人「ピッコラーレ」代表の中島かおりさんは、中絶に立ち会った際、医師が女性に妊娠の背景も聞かないまま「次からは気をつけなさい」と注意し、女性にとって精神的な負担となった事例を共有。

日本では緊急避妊薬(アフターピル)についても入手のためには受診や処方が必須で価格も高いため、アクセスのハードルの高さが問題になっている。中島さんはそうした状況にも触れた上で「この国のリプロ(リプロダクティブ・ヘルス/ライツ=性と生殖に関する健康と権利)周りの状況にはすごく不平等、不正義、性差別がある」と指摘した。

性交に関わることだけでなく、ジェンダー平等や性の多様性、人権の尊重などを含めた「包括的性教育」の充実を求める声も上がる。

助産師の櫻井裕子さんは、度々起こる新生児遺棄事件について触れ、「安全な中絶へのアクセスや包括的性教育は、妊娠に関わる人全ての心と体と命を守る」と訴えた。

イベントに参加した30代の女性は、妊娠や出産を経て女性の心や体について考える機会が増え、制度や社会の状況に対して違和感を持つことも増えたという。

「少しずつ社会の関心は高まっていると思うが、もっとこうした活動が広がってほしい思います。普通の人が感じた小さな引っ掛かりのようなものを言葉にしていくことも重要ではないかと感じました」とコメントした。

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「私たちの体は夫のものではない」中絶めぐる状況の改善、団体がイベントで訴え

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