「iPhone 14」では、Proモデルでノッチが廃止されるなど、様々なアップグレードが行われました。しかし中でも大きな変化の1つとなったのが衛星通信への対応です。
この機能は今のところ、米国とカナダ向けにしか提供されていません。しかし早いうちに、この機能は他の多くの国でも提供されるようになるようです。
*Category:テクノロジー Technology|*Source:9to5Mac ,MacPrime ,The Verge
携帯電話は使用できるのは電波が届く範囲に限られており、日本でも山岳地帯などでは電波が入らない場所が多くありました。しかし衛星通信はそのような常識を覆し、一気にネットワークが使える範囲を広げるものとなると期待されています。
今回搭載されたiPhoneの衛星通信機能は、緊急SOSとして使用できるものです。この機能では、携帯電波やWi-Fiの圏外でも、救急隊などに連絡を取ることができるようになります。また、「iPhoneを探す」を使い、友人や家族と位置情報を共有することも可能です。
この電波は携帯通信ネットワークに比べて帯域が狭いため、Appleはテキストメッセージを3倍小さくする圧縮アルゴリズムを作り、通信を高速化しました。ただしアンテナなどの都合上、衛星との接続を確立するのに時間がかかります。そのため、iPhoneは電波を探している間、あらかじめ用意されたいくつかの質問をユーザーに投げかけます。
Appleの衛星通信はまだ初期段階にありますが、同社は今後数年間で、そのインフラを強化するために4億5,000万ドル(約645億円)を費やすことを確約しています。テック系メディア「MacPrime」の新しいレポートによると、Appleは早い段階でこの機能を他の国にも導入することを計画しているようです。
これによればAppleは、衛星接続機能が「今年中に他の国」にも提供され、さらに2023年のいつかには追加の国に提供される予定であると同メディアに伝えたとのこと。もちろん、この国の中には日本も含まれている可能性があります。
衛星通信をスマートフォンでも使えるようにする動きは、Apple以外にも見られます。Space XのCEOであるイーロン・マスク氏とTモバイルのマイク・シーベルトCEOは、SpaceXのスターリンクとの新しいパートナーシップで、通信エリア外での通信も可能にするとイベントで発表しました。
これにより、Tモバイルのスマートフォンは衛星に接続し、セルゾーンごとに2〜4Mbps(合計)の通信が提供されるようになります。Tモバイルによると、この衛星通信サービスは、米国本土、ハワイ、アラスカの一部、プエルトリコ、領海内のどこでも利用できるようになるとのこと。さらに、加入者が現在使用しているスマートフォンでもこのネットワークを利用することが可能で、特別な機器は必要ないとしています。
Appleの場合、この衛星通信の大きな課題となるのはビジネスモデルの確率です。Appleはこの機能について「2年間無料で使える」としましたが、逆にいえば2年後には有料になる可能性が高いということです。今後iPhoneにこの機能が搭載され続けるかは、AppleがいかにしてTモバイルなどと差別化するかに掛かっていると言っていいでしょう。
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iPhone 14に隠された「スマホの常識を覆す」新機能