斎藤佑樹さん、高校球児へ「その夢はきっと叶うよとは、僕は言いません」と直筆の手紙。「言葉の重みがすごい」と反響

斎藤佑樹さん

元プロ野球選手で、株式会社斎藤佑樹の代表取締役・斎藤佑樹さんが高校球児に宛てて書いた直筆の手紙が、インターネット上で大きな話題になっている。手紙は日本郵便の「夏のお手紙キャンペーン」の一環として、6日から公式サイトなどで公開された

手紙は「この夏にすべてをかける君へ」対し、こうつづられている。

「その夢は、きっと叶うよ。とは、僕は言いません。勝負はわからないから。おなじ夢を持った人たちのぶつかりあいだから。ただ、今のまっすぐな君のまま、どうかこの夏のマウンドに立ち続けてください」

「これから先、グラウンドでもグラウンド以外でも、君をいろんな出来事が待ち受けています。僕のように、不安だらけの時期を過ごし、挫折を味わうこともあるかもしれません。それでもなんとか前を向くために必要なもの。それは、記憶だと思います。過去の栄光、だなんて言われることもあるけれど。最後まで闘い抜いた記憶は、未来を生きる大きな力になります」

斎藤さんは早稲田実業のエースを務め「ハンカチ王子」として注目を集め、2006年の夏の甲子園を制した。その後、大学やプロで苦闘。インターネット上では「泣いた」「言葉の重みがすごい」「きれいな字」といったコメントが寄せられた。

手紙全文は以下の通り。

この夏にすべてをかける君へ

暑い日が続きますが、体調など崩していないでしょうか。体格も投げかたも似ている、そして夢が叶うことを1ミリも疑っていない君と出会ったときから、僕はずっと、16年前の自分を重ねていました。

その夢は、きっと叶うよ。とは、僕は言いません。

勝負はわからないから。おなじ夢を持った人たちのぶつかりあいだから。

ただ、今のまっすぐな君のまま、どうかこの夏のマウンドに立ち続けてください。これから先、グラウンドでもグラウンド以外でも、君をいろんな出来事が待ち受けています。僕のように、不安だらけの時期を過ごし、挫折を味わうこともあるかもしれません。それでもなんとか前を向くために必要なもの。それは、記憶だと思います。過去の栄光、だなんて言われることもあるけれど。

最後まで闘い抜いた記憶は、未来を生きる大きな力になります。

なんて、大舞台がすぐそこだってときに、先の話なんてされたくないか。

この夏、いちばん速い球を投げるのは、君じゃない。

いちばん熱い球を投げるのが、いちばん強い球を投げるのが、なんだかいちばん凄い球を投げるのが、君であってほしいと思っています。今から君の過ごす夏が、君を一生奮い立たせる夏になりますように。

よし、 頑張れ。

2022夏 斎藤佑樹

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