アメリカの前大統領ドナルド・トランプ氏が8月8日、フロリダ州にある同氏の邸宅「Mar-A-Lago(マー・ア・ラゴ)」を、FBIが強制捜査していると明かした。
トランプ氏は声明で「我々の国にとって暗黒時代だ。フロリダ州パームビーチにある私の美しい邸宅マー・ア・ラゴが、現在FBI捜査員の大集団によって、包囲され、襲撃され、占領されている」と述べている。
「これまで、アメリカの大統領にこのようなことが起きたことはない」
BREAKING: Trump confirms, the FBI has raided Mar-a-Lago. pic.twitter.com/U5K5Kjqy3b
— Kyle Cheney (@kyledcheney) August 8, 2022
Politicoカイル・チェイニー記者のツイート:トランプ氏がFBIによるマー・ア・ラゴを強制捜査を認めました
大統領選や連邦議事堂襲撃事件を巡る捜査が行われていた
声明では、強制捜査の理由について触れられていない。
しかし司法省は、トランプ氏の2021年1月6日の連邦議事堂襲撃事件への関与や、2020年大統領選での敗北を認めようとしなかった問題などを調べている。司法省は大統領や関係者に対して刑事責任を問うことができる。
また、検察もトランプ氏が大統領の座に止まるために「不正投票があった」という虚偽の主張を拡散させたことや、重要州で偽の選挙人団を選定する計画に関与したことなどを調べていると報じられている。
こういった問題に関連して、ここ数週間で、元大統領法律顧問のパット・シポロン氏や、マイク・ペンス前大統領の側近2人に対して、裁判所から召喚令状が出された。
また、司法省のように刑事責任を問うことはできないが、下院特別委員会も議事堂襲撃についての調査を実施している。
強制捜査を批判
アメリカではこれまで、元大統領の不正行為に対する捜査が行われたことはあっても、起訴されたことはない。
トランプ前大統領は声明の中で、FBIの強制捜査は「司法制度を武器にした検察の職権濫用」であると述べ、金庫を調べられたと明かしている。
また「このような攻撃が起きるのは、破綻した第三国だけだ。残念ながら、アメリカはそういった国の一つになってしまった。かつてないほどのレベルで腐敗した」ともつづっている。
一方、トランプ氏は大統領任期中に、自身の利益のために司法省を利用しようとしたことを何度も批判されている。ウィリアム・バー元司法長官は元々トランプ氏と近かったものの、2020年12月、「大統領選挙で不正投票があった」というトランプ氏の主張を司法省として否定した後に辞任。トランプ氏と決裂したとみられている。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
トランプ前大統領、FBIがフロリダ邸宅を強制捜査していると発表「占領されている」