投資トラブルの渦中にあると報じられ、所属事務所の退所を発表したお笑いコンビ「TKO」の木本武宏さん。
トラブルの全容は明らかになっていないが、親交のあった芸人らに投資話を持ちかけていたなどと報じられている。
こうした報道を受け、日本テレビ系の情報番組『スッキリ』に出演しているお笑いコンビ「極楽とんぼ」の加藤浩次さんが、木本さんの“投資トラブル”について言及。その内容が反響を呼んでいる。
7月25日に放送された番組では、木本さんが7月23日に所属事務所「松竹芸能」の退所を発表したことを受け、“投資トラブル”についてこう伝えた。
木本さんの個人事務所への取材として、「知人から投資の話を持ちかけられ、うまく行ったことから親交のあるタレントや芸人にも紹介した」「(この知人と)一緒に投資を進めていたという事実はなく、投資案件をすすめられ、それに乗ってしまった」「(その知人は)金融商品取引業の登録がないことがトラブル後に判明した」などと報じた。
加藤さんはこれらの状況を受け、「僕の想像ですけど」などと前置きをした上で、「基本的な投資詐欺のベーシックな形」と指摘。その上で、語気を強めてこう訴えた。
「木本に言いたいんだけど、勉強しないとダメ!ちゃんと。分かってないのに信用だけでお金を預けたりしたら絶対ダメ!」と力を込めて訴えた。
その上で、「しかも、木本が悪いのは、(知人を)信用してしまっているから、周りの人たちも巻き込んでしまった。周りの人たちもそこまで勉強しないで『木本さんが言うんだったら』ということで動いてしまっているから、結構多額なものになってしまっているという現状だと思う」と続けた。
他の出演者と意見交換をする中で、「投資は決して悪いことじゃない。投資と投資詐欺は全然違うんだということを、理解しないといけないということですよね」「そのためは投資の基本的な勉強が大事だと思うんですけど」などとも訴えた。
この加藤さんの発言が報じられると、SNS上には「いいコメント」「ごもっともな意見」「お金を個人に預けるのはほぼ詐欺と思えですね」などの反響が広がった。
加藤さんが大事だと訴えた“勉強”は、「金融リテラシー」を高めるもので、岸田政権が「貯蓄から投資へ」を掲げる中でその重要性が増している。
「金融リテラシー」とは、家計管理や資産形成、金融・経済の仕組みなど「お金」にまつわる正しい知識や判断力を身につけること。
日本銀行が事務局を務める「金融広報中央委員会」が3年に1度実施している「金融リテラシー調査」では、「金融知識・判断力」や「行動特性・ 考え方」などを問う設問で構成されている。2022年の調査結果からは、前回、前々回に続き、10代から70代まで全ての年代で男性より女性の金融リテラシーが低い結果となった。
また、家計管理や生活設計についての授業などの金融教育について、「行うべき」という意見は71.8%で、前回の67.2%を上回った。一方で、「金融教育を行うべき」と回答した人の中で、実際に「金融教育を受けた」と認識している人の割合は7.9%にとどまっている。
2022年4月から高校の新しい学習指導要領が実施され、株式や債券、投資信託などの「金融商品」の特徴などついて、「資産形成」という視点から触れられるようになった。
金融庁の担当者はハフポスト日本版の取材に、「投資テクニックを教えるものでも、『投資をしましょう』『投資をしなければいけません』などと伝えるものでもなく、あくまで『入り口』として、資産形成には貯金する以外に投資という選択肢があると伝えるもの」と話している。
一方で、「資産形成」などの授業が導入されるといっても、家庭科の「家庭基礎」(2単位)か、「家庭総合」(4単位)の科目の中の一部で、どこまで詳しく教えるのか、どのくらいの時間をかけて指導するのか、学校の判断で温度差が出る可能性も指摘されている。
「投資」に関心が集まる今だからこそ、金融リテラシーの向上につながる金融教育の充実が求められている。
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「勉強しないとダメ!」加藤浩次さんが、TKO木本さんの“投資トラブル”報道で語ったこと。今求められる金融リテラシーとは?