中国当局は7月21日、中国の配車アプリ最大手・DiDi(滴滴出行)に対し、およそ80億元(約1640億円)の罰金を科したと発表した。
スマホ内のスクリーンショットや顔認証に関わる情報など、個人情報のべ647億件超を違法に取得した疑いなどが持たれている。
「滴滴」は中国の配車アプリ最大手。現在位置の情報などからタクシーなどを呼ぶことができる。当局は、違法に個人情報を収集していた疑いがあるとして2021年7月から調査を始めていて、新規ユーザーの登録も停止させていた。
調査開始から1年以上が経った21日、処分結果が公表された。国営新華社などによると、DiDiは「サイバーセキュリティ法」「データ安全法」「個人情報保護法」にそれぞれ違反したとされ、「証拠は確実で悪質」などと判断された。
当局が指摘した違反行為は16項目にわたっていて、具体的には▽スマホ内のスクリーンショット画像や▽乗客の顔認証や年齢情報、それに▽乗客の移動目的に関する情報などを違法または過度に収集していたことなどが挙げられている。
違法に収集された個人情報はのべ647億件超にのぼるという。
このことから中国当局は、運営会社に80億2600万人民元(約1640億円)の罰金を言い渡した。経営層の2人もそれぞれ100万元(約2000万円)の罰金となった。
DiDiをめぐっては、中国共産党の創立100周年記念式典が開かれる7月1日の前日にあたる6月30日にアメリカ・ニューヨークで上場したことを問題視する声もあった。同時に、中国人利用者の移動データなどが、上場を契機に海外へ漏洩することを危惧する意見も寄せられていた。
共産党機関紙・人民日報によると、中国当局はDiDiについて「国家安全に重大な影響を与えるデータ処理活動があった」と指摘。その上で「違法な操業は国家の重要な情報インフラやデータ安全に重大なリスクをもたらした」と批判した。具体的な内容については「国家安全に関わるため」と公表しなかった。
DiDiは21日、SNSで「当局の検査と指導、公衆の批判と監督に心より感謝します。このことを戒めとし、サイバーセキュリティやデータ安全、個人情報保護を強化し、社会における責任を履行し、持続可能な発展を目指します」などとする声明を発表した。
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中国配車アプリ「DiDi」に罰金1640億円。スクショ画像や顔認証など647億件の個人情報を違法に取得か