参院選の応援演説中に銃で撃たれて死去した安倍晋三元首相の「国葬」を、9月27日に東京の日本武道館で行う方向で政府が最終調整に入ったとNHKなどが報じた。
一方、松野博一官房長官は7月20日午前の記者会見で、調整状況について「具体的な日程や開催場所も含め、ご遺族をはじめ関係者と調整を行っているところ」と述べるにとどめた。
安倍元首相の国葬をめぐり、一部の野党から「政治的評価を事実上強制する」などの意見が出ていることについて、安倍元首相が憲政史上最長の8年8カ月にわたり在任したことなどを挙げ、「国民一人一人に政治的評価を強制するとの指摘は当たらない」と強調した。
また、野党側から国会で閉会中審査を開催し、政府からの説明を求める声が上がっていることについては、「国会の運営に関しては国会でお決めいただくこと」と述べた。
安倍元首相の国葬について、共産党の志位和夫委員長は談話で、国葬に反対すると表明。「国民のなかで評価が大きく分かれている安倍氏の政治的立場や政治姿勢を、国家として全面的に公認し、国家として安倍氏の政治を賛美・礼賛することになる」とし、「安倍元首相に対する弔意を、個々の国民に対して、事実上強制することにつながることが強く懸念される」「国家が弔意を求めたり、弔意を事実上強制したりすることはあってはならないことである」としている。
れいわ新選組は声明を発表し、「評価の大きく分かれる政策を『レガシー』(遺産)として正当化することは許されない。政治家の非業の死と、生前の政治的評価とは分けて論ずるべきである」などとし、国葬への反対を表明している。
社民党も服部良一幹事長が国葬に反対するとの談話を発表し、「安倍元首相の評価が大きく分かれるなかで国家が国葬として国民に政治的評価を事実上強制することは行なうべきではない」としている。
Q:安倍元首相の国葬を9月27日に日本武道館で開催する方向で最終調整を進めているということだが、現時点での調整状況は?野党側からは「政治的評価を事実上強制する」などとして反対する意見もあるが、国民にどのように理解を求めていくか。
安倍元総理の国葬儀については、具体的な日程や開催場所も含め、ご遺族をはじめ関係者と調整を行っているところであります。また、これまでも申し上げている通り、政府としては、安倍元総理が憲政史上最長の8年8ヶ月にわたり、卓越したリーダーシップと実行力を持って、厳しい内外情勢に直面する我が国のために内閣総理大臣の重責を担ったこと。
東日本大震災からの復興、日本経済の再生、日米関係を基軸とした外交の展開等の大きな実績を様々な分野で残されたことなど、そのご功績は誠に素晴らしいものであること。
外国首脳を含む国際社会から極めて高い評価を受けていること。
民主主義の根幹たる選挙が行われている中、突然の蛮行により逝去され、国の内外から幅広い哀悼、追悼の意が寄せられていること。
こうした点を勘案し、国葬儀を行うこととしたものであり、国民一人一人に政治的評価を強制するとの指摘は当たらないと考えております。引き続き、こうした考え方をしっかりと説明させていただきたいと思います。
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「国葬」は9月27日で最終調整と報道。「政治的評価強制との指摘は当たらない」と官房長官