食欲の低下しがちな暑い夏は「そうめん」の出番です。そうめんは、つるりとしたのどごしとコシのある口触りが夏のすぐれた食材といえます。
そんなそうめんのコシをさらにアップさせるための裏技があるそうです。発酵美容家のザイマリさんに、驚きの調理法などについて伺いました。
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「まずはそうめんの基本的な茹(ゆ)で方について説明しましょう。
そうめんを茹でるときは、たっぷりのお湯を使います。麺200グラム(2束)に対してお湯2.5リットルが、理想的な割合となります。茹でている間に、そうめんが鍋の中で“泳いでいる”くらいが適量です。
お湯に入れるときは、麺を“ぱらぱら”とさばき入れ、軽くかき混ぜます。これは、束で鍋に入れると、火が均等に通りにくいためです。
火加減はできるだけ強火で、差し水をしないこと。茹で時間が短くて済むからです。沸騰したら火を少し弱めましょう」(ザイマリさん)
茹で方の基本を踏まえたうえで、そうめんのコシがアップする茹で方のポイントとは?
「ご家庭でコシのあるそうめんにしたいときは、茹で汁に梅干しを1個入れて茹でることです。
水道水はpH(ペーハー)7前後の中性ですが、梅干しの成分が溶け出すことで弱酸性水に変わります。麺のコシの基になるのは麺に含まれた『でんぷん』なのですが、中性水(お湯)には溶けやすく、酸性水には溶け出しにくいという性質をもっています。そのため、梅干しを加えることで、でんぷんが溶け出さずコシの強いおいしい麺が茹で上がるのです。
梅干しがなくても、酢や重曹を茹で汁に加えることで同じ効果を得られます。
重曹の場合は、弱酸性ではなくアルカリ性のお湯になることで、小麦粉中のタンパク質が強く結合し、麺の歯応えやコシが強くなります。
分量はどちらも大さじ1杯程度です。小麦麺全般がもつ性質ですので、うどんや中華麺でも同様にコシがアップします。ぜひ試してみてください」(ザイマリさん)
茹で上がりのタイミングの見極めはどのようにするのでしょうか。
「包装紙などに記された『茹で上がり時間』を目安として、そうめんがほぼ透明になって、箸が透けて見えるようになれば茹で上がりです。そうめんは、素早く熱湯から取り出し、2~3回水洗いします。
あとは水をよく切ってガラスなどの器や皿に盛るだけです。お好みの薬味を添えて、コシを楽しみながら味わってください。
氷水に入れたままにするという話もよく聞きますが、麺が水分を吸って味や食感が変わってしまうだけでなく、徐々につゆが薄くなるので、避けた方が良いでしょう。
そうめんは寝かせることで歯ごたえが増し、2年間寝かせたものは『古物(ひねもの)』、3年寝かせたものは『大古物(こひねもの)』と呼ばれて高級品として珍重され、コシも強くなっています。一般的なそうめんでも賞味期限は2~3年と長く、未開封で適切な状態で保存すれば、より歯ごたえのあるそうめんになります」(ザイマリさん)
そうめんは他の食材との組み合わせ、薬味の工夫などを豊富に楽しめ、暑い季節の強い味方です。この夏は、コシのあるワンランク上のそうめんを味わってみてください。
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