「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日ーー。
『チョコレート革命』などで知られる歌人・俵万智さんが、35回目の『サラダ記念日』となった7月6日、「いいね」について思いを語り、「しみる…」「いろんないいねがあるけど、どのいいねも好きです」などと反響が広がっている。
『サラダ記念日』は1987年に発行されたベストセラー歌集。発行元の河出書房新社は公式ツイッターで、「この記念すべき日に、俵万智さんよりメッセージをお寄せいただきました」と、俵さんのコメントを公開した。
俵さんは、「35年前には、どちらかというと下の句が注目された」が、SNSの普及などにより、「最近では上の句が注目を集め、『万智さんは、いいね!の元祖ですね』と言われている」と、注目される部分が変化していることについてふれた。
また、「Twitterで『今はいいねの数を競うような風潮があるけれど、これはたった一つのいいねで幸せになれるという歌です』とつぶやいたら、一つどころか18万余りのいいねが付いた。SNS全盛の時代ではあるが、みんな、たった一つのいいねの大切さを感じ、求めているんだなあと思った」と記した。
また同日、俵さんもTwitterで「なんでもない日として選んだ七月六日でしたが、今では歌うことの原点を確認する日です」 と思いをつづった。
俵さんのメッセージには「いいね」「普段から、1つでもいいね頂けたら嬉しい気持ちになりますね」といったコメントが寄せられている。
<俵万智さんのメッセージ全文>
歌集『サラダ記念日』のタイトルの元になったこの一首、35年前には、どちらかというと下の句が注目された。丸谷才一先生からは「七月六日は芭蕉の句を踏まえていますね」と感心され、小田島雄志先生には「サラが記念日は、シェイクスピアからの引用ですね」と喜ばれた。「○○記念日」という語が巷に溢れ、スポーツ紙の見出しにまで躍った。
それが最近では上の句が注目を集め、「万智さんは、いいね!の元祖ですね」と言われている。たしかにFacebookやTwitterで「いいね」をみない日はない。こんなに「いいね」がポピュラーな表現になるとは、35年前には想像もつかないことだった。
時代という波をくぐりながら、多くの読者に出会いながら、短歌は生き続け、新しい輝きをもらうことができる。35年目の『サラダ記念日』は、そんな出会いをしてくれるだろうか。
ちなみにTwitterで「今はいいねの数を競うような風潮があるけれど、これはたった一つのいいねで幸せになれるという歌です」とつぶやいたら、一つどころか18万余りのいいねが付いた。SNS全盛の時代ではあるが、みんな、たった一つのいいねの大切さを感じ、求めているんだなあと思った。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「たった一つのいいねの大切さを…」俵万智さんが『サラダ記念日』に語った「いいね」の重み