蚊の活動が活発になってくる時期です。ウェザーニュースで、「あなたは蚊に刺されやすいタイプ?」というアンケート調査を実施したところ、「はい」と答えた人が72%で「いいえ」の28%を大きく上回る結果になりました。全体的に「私は刺されやすい」と感じている人が圧倒的に多いようです。
さらに、都道府県別に詳しくみると、「はい」と答えた人の割合が多い都道府県トップ3は、高知県(87%)、長崎県(83%)、佐賀県(82%)で、九州や四国などの暖かい地域に集中しています。
一方、「いいえ」の割合が多い都道府県は、岩手県(46%)、北海道(43%)、青森県(37%)で、「はい」とは真逆の北日本です。
蚊が活発に活動しやすい暖かい地域の人は、「自分は刺されやすいタイプ」と思う傾向が強いようです。
こうした地域差以外にも、人によって刺されやすいタイプと刺されにくいタイプの違いはあるのでしょうか。虫ケア用品最大手のアース製薬に、“蚊の好み”について教えていただきます。
蚊が好む服の色は?
蚊は身近な害虫だけに、「〜だから刺されやすい」というような話は数多くあります。服装については、蚊の好みの色があるというのは本当でしょうか。
「蚊は人間のように色を認識することはできませんが、黒い色には寄ってきやすいという傾向があります。白いTシャツと黒いTシャツなら、黒の方が刺されやすいのです。
ところが白黒のボーダー柄だと、黒色よりも刺されやすくなります。蚊は、明暗のコントラストは識別するので、コントラストの強い服は刺されやすいようです」
蚊に刺されないためには、白っぽい明るい単色の服を着ることをオススメします。薄着ではどうでしょうか。
「蚊は人の体温や呼気に含まれる炭酸ガス(二酸化炭素)、汗などに含まれるにおい、皮膚の水分、体の動きなどから、ターゲットとなる吸血源を探しています。
よく、蚊が顔の近くに寄ってくることがありますが、この習性によるためです」
お酒を飲んだ人、子どもは刺されやすい?
「お酒を飲むと刺されやすい」「子どもは狙われやすい」などもよく聞きます。
「お酒を飲んだ後は呼吸が荒くなったり、体温が高くなることが原因と考えられます。蚊にとって感知しやすくなるわけです。
子どもも、この特徴に当てはまりますね。同じように、体温の高い妊婦さんや汗っかきの人もターゲットになりやすいといえます」
血液型で違いはあるか?
「私はO型だから刺されやすい」と被害を訴える人もいますが、これはどうでしょうか。
「これまでの研究により、O>B>AB>Aという順番に刺されやすい傾向があることは示されていますが、科学的根拠はありません。
蚊は決して血液型物質を察知しているわけではなく、体温、炭酸ガス、皮膚の水分、体の動きなどを総合的に判断しているとされており、単純なものではありません」
蚊に狙われる場所や時間
生活スタイルによっても、刺されやすさは変わるようです。
「日本で人が刺されることの多いヒトスジシマカの幼虫は、バケツや空き缶・空き瓶、側溝の水などちょっとした水たまりがあれば成育し、成虫になると雑草が生い茂る場所を好みます。
庭や公園、墓地、雑木林などに潜んで、近づいてきた人や動物を狙って吸血します。キャンプやアウトドアスポーツ、花火大会、ガーデニングなど、人が屋外活動をする場所で、私たちを狙ってきます。
ヒトスジシマカは昼間中心に活動し、よく吸血する時間帯は朝夕です。特に夕方4~6時がいちばん多く刺してきます。また夜間でも灯火の下の明るいところで吸血することもあります」
蚊に刺されると、かゆみや腫れが不快なだけではありません。
「蚊は、マラリアやデング熱などの感染症を媒介し、世界中で非常に多くの人を死に至らしめている生物です。肌の露出が増える夏や外出時は、虫よけ剤を活用して蚊に刺されないようにしましょう。
蚊に効くのは、『医薬品』や『防除用医薬部外品』の表示があり、効能や適用害虫に『蚊』と記載された商品です。
注意していただきたいのは一般的な虫よけ剤の有効成分『ディート』『イカリジン』は、蚊が人を感知できなくする忌避剤であることです。蚊を殺すわけではありません。
そのため塗っていない部分は刺されてしまいます。露出する肌にしっかりスプレーしてまんべんなく塗り広げることが大切です。顔や首にスプレーする際は、まず手のひらにスプレーして、それを目の周りを避け、顔や首に塗ってください」
蚊に刺されないようにするには、蚊の習性を知った上で適切な対策を取ることをおすすめします。
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蚊に刺されやすいタイプとは。服の色や血液型で変わる?