イギリスの実業家で億万長者として知られるリチャード・ブランソンさんが6月29日、ウクライナを訪問した。ロシア軍の攻撃で破壊された世界最大級の飛行機「An-225ムリーヤ」の残骸を視察したブランソンさんは、ムリーヤを再建するプロジェクトについてウクライナ当局者と協議し、「できる限り助けたいという意欲を表明した」という。国営ウクルインフォルム通信などが伝えた。
■ブランソンさんが「できる限り助けたいという意欲を表明した」とウクライナ与党議員
ブランソンさんが創業したヴァージン・グループでは、航空会社から宇宙旅行まで幅広く手がけている。ヴァージン・グループの公式サイトに掲載されたレポートの中で、ブランソンさんはムリーヤの残骸が残るアントノフ国際空港を視察した際のことを、以下のように綴っている。
「ムリーヤ(夢) という愛称で親しまれたこの素晴らしい6基のエンジンを搭載した航空機は、空港の支配権争いで破壊され、残っているのは燃え尽きた残骸だけです。しかし、懸命にこの機体を救おうとする人たちがいて、すでに機体の再建を決めています。私は、ムリーヤの遺産が引き継がれ 、国際社会がウクライナがこの飛行場を再建するだけでなく、ウクライナの航空宇宙産業を再生させるための方法を見つけることを願っています」
視察に同行した与党議員のダヴィド・アラハミア氏によると、ブランソンさんは「できる限り助けたいという意欲を表明した」という。
■ムリーヤとは?ソ連版スペースシャトルの輸送用に開発。東日本大震災の復興支援で来日したことも
ムリーヤは旧ソ連時代に、ウクライナに拠点を置くアントノフ設計局(現在のアントノフ社)が開発した巨大輸送機「An-225」の愛称だ。ソ連版のスペースシャトルとして知られる「ブラン」を輸送するために2機が作られたが、完成したのは1機のみだ。1988年に初飛行した。
その巨大さを生かしてアントノフ航空が貨物機として運用しており、ウクライナ語で「夢・希望」を意味するムリーヤという愛称が付けられている。
アントノフ航空の公式サイトによるとムリーヤの全長は84メートル。「ジャンボジェット」として有名なボーイング747は70メートルなので大きく凌いでいる。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
世界最大級の飛行機「ムリーヤ」の再建。リチャード・ブランソンさんがウクライナ当局が話し合う