雨の日に、雨よりも面倒で憂うつになるのがヘアスタイルかもしれません。うねりや膨らみで髪が広がっていたり、逆にぺたんこになってしまったり。何とか鏡の前で整えても、しばらくたつと崩れてしまいます。
ウェザーニュースで梅雨どきの髪の悩みについてアンケート調査を実施したところ、「うねる」25%、「広がる」16%、「ぺたんこ」17%で、約6割に上る人が何かしらの悩みを抱えていることが分かりました。
こうした悩みを解決するにはどうすれば良いのでしょうか。雨の日でも美しい髪を維持するためのヘアケア方法を、美容室「Lin’ne terrace(リンネ テラス)」の美容師・清家勇典さんに教えていただきます。
「雨の日は髪型が難しいという声はよく聞きます。よく見ると、髪1本1本が乱れていることが多いのです。
髪の毛は、外側からキューティクル、中間部のコルテックス、中心部のメデュラからできています。もっとも外側にあるキューティクルは、半透明のウロコ状のものが重なるようにして内部を守っています」(清家さん)
「内部のコルテックスは、髪の毛の繊維状のタンパク質が結合しているのですが、結合部分には水分で形状を変えるものがあり、雨で湿度が高いときなどキューティクルの隙間から水分が入ると、結合部分が変化して髪が歪むことがあるのです」(清家さん)
雨の日は、水分のコントロールがヘアスタイルを崩さないポイントになるそうです。毎日のヘアケアでは、次の3つのポイントを心がけましょう。
(1)洗髪時のケアでダメージ回復
まずシャワーで予洗いしてから、適量のシャンプーをしっかり泡だて優しく洗う。よく流したら、トリートメントを毛先や傷んでいる部分を中心につける。また、トリートメント塗布後に目の粗いクシなどでとかしてから流すとキューティクルが整いやすい。
(2)しっかり乾かし、最後に冷風
ドライヤーとブラシで毛流れを整える。特に髪の根本部分は丁寧に立ち上げる。ある程度乾いたら、根元から毛先に風が抜けていくように上から温風を当ててあげるとキューティクルが整う。また、しっかり乾かしたら、最後に冷風を当ててキューティクルをしめる。
(3)水分の侵入を防ぐためのコーティング
髪の内部に水分が入っていきにくいように、ヘアスプレーやスタイリングオイルなどの整髪料でコーティングして仕上げる。
「水分をコントロールするには、きちんと髪の毛を乾かすことが大切です。コルテックスに水分が多い状態で、空気中の湿気や雨などが重なると、髪が乱れやすくなります。髪の根本がべたついてペタンコになるタイプの人は特に注意しましょう。
コルテックスを守っているキューティクルをきれいに保つこともポイントになります。キューティクルが剥がれたり欠けたりすると、水分が内部に入りやすくなるからです。
そのためには、シャンプーなど普段からのお手入れが重要です。キューティクルは濡れているとき傷みやすいので、シャンプーは優しく丁寧にしましょう。洗髪後はトリートメントでケアして、すみやかに乾かします。湿ったまま寝てしまうと、寝癖がつくだけでなく摩擦でキューティクル傷みやすくなります。
また、最後に冷風を当てることでキューティクルの閉じ具合が大きく変わるので、このひと手間は忘れずにしましょう」(清家さん)
洗髪後にすぐドライヤーで乾かすのは頭皮で雑菌が繁殖するのを抑えて、においやベタつき対策にもなるそうです。
「雨対策のヘアケアのベースにあるのは、髪の健康です。これを機会に、シャンプーやスタイリング剤など適切に使っているか、髪をタオルでゴシゴシ拭いていないかなど、毎日のケアをぜひ見直してみてください」(清家さん)
やはり雨の日はいつもよりキューティクルを意識することで、髪を守り、スタイルも扱いやすくなるのですね。雨の日対策をしっかり行っていきましょう。
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