レインボーロゴの着用を拒否した選手に、元大リーガーが苦言「LGBTQの仲間がいると知らないだけだ」

プライド月間の6月には、アメリカの多くのスポーツチームが、LGBTQコミュニティへの連帯を示し多様性を祝福する「プライドナイト」を開催する。

フロリダ州に本拠地を置く大リーグのタンパベイ・レイズも、6月4日にこのイベントを実施。

ところが5人の選手たちが、レインボーのロゴがデザインされた帽子とワッペン付きユニフォームの着用を拒否した。選手たちは「信仰上の理由」と説明している。


https://twitter.com/RaysBaseball/status/1533094035736387589?ref_src=twsrc%5Etfw

信仰を理由に着用せず

レイズは、結婚の平等を支持する意見陳述書を2015年に最高裁に提出するなど、さまざまな形でLGBTQコミュニティへの連帯を示してきた。

16回目となる4日のプライドナイトでは、試合前にLGBTQ当事者を招いたイベントを開催し、観客に小さなレインボーフラッグを配布。他にも、LGBTQコミュニティへの医療健康サービスを提供している団体「メトロ・インクルーシブ・ヘルス」に2万ドルを寄付した。

そしてこの日の試合で、レイズの選手たちがレインボーで彩られたロゴ付きのユニフォームと帽子を着用した。

ロゴがレインボーに彩られた帽子とワッペン付きユニフォームでプレーする、レイズのドリュー・ラスムッセン投手(2022年6月4日)

しかし、タンパベイタイムズによると、ジェイソン・アダム投手、ジャレン・ビークス投手、ブルックス・ラリー投手、ジェフリー・スプリングス投手、ライアン・トンプソン投手の5人が、ユニフォームからレインボーカラーのロゴを剥がし、通常の帽子をかぶった。

その理由を、アダム投手は「信仰に基づく決定」だと説明。次のように述べた。

「とても難しい決断です。我々はここではすべての人が歓迎され、愛されるということを伝えようとしている」

「だけどもし私たちがこれを自分の体につけたら――誰かを見下すとか、自分達とは違うと考えているということではなく――これは自分たちの生き方であり、ただ単にイエスを信じているから勧めたくないということです。イエスはこういった行為を避ける生き方を、私たちに勧めました。異性愛者男性である私に、結婚した相手以外とのセックスを慎むよう勧めたの同じです」

ジェイソン・アダム投手

一方、レインボーの帽子とロゴ付きユニフォームを身につけた外野手のケビン・キアマイアー選手は、誰もが居場所があると感じることが大切だと強調している。

「私は両親から、すべての人をその人のままで愛し、自分らしく生きるよう教えられました。何を好むかどうかに関係なく、自分の生き方をするようにと言われました」

「もちろん、私が全員の気持ちを代弁することはできません。しかしここは、家族が楽しめる大リーグの球場です。すべての人がここで歓迎され、居場所があると感じて、私たちを応援してほしい」

ケビン・キアマイアー選手

LGBTQ当事者の仲間は身近にいる

プライドナイトを紹介したレイズのFacebook投稿には、イベント開催を「分断を生んでいる」「政治的だ」などと批判する声もある一方で、「分断ではなくインクルージョンだ」など支持する意見も多数投稿されている。

レイズファンのマット・ラバージュさんは、アダム投手の発言について「“行為”という言葉を使っていて、まるで選択していると言っているようです。誰かを疎外するようで、同意できません」とNPRの取材で語っている。

ラバージュさんはレイズのFacebook投稿に「すべての人を認め受け入れようとするレイズを誇りに思う。こういった価値観を伝えるために、私は息子をプライドナイトに2回連れて行きました」と書き込んでいる

元メジャーリーガーのプレストン・ウィルソン氏も「スポーツ界は特にLGBTQについて無知だ」と批判。選手たちは身近にLGBTQ当事者の仲間がいることをただ知らないだけだと指摘している。

x.com

プレストン・ウィルソン氏のツイート:スポーツ界は、このテーマについて特に無知だ。MLBのすべての選手は、同性愛者のチームメートとどこかで一緒にプレーしているはずだ。彼らの成功を応援し、苦しんでいる時に、ともに痛みを感じたはずだ。彼らはただ、その選手がLGBTQ当事者だということを知らなかっただけだ。

NBCによると、レイズと同じようにプライドナイトでレインボーユニフォームを取り入れたサンフランシスコ・ジャイアンツとロサンゼルス・ドジャースでは、全選手が着用した。

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オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
レインボーロゴの着用を拒否した選手に、元大リーガーが苦言「LGBTQの仲間がいると知らないだけだ」

Satoko Yasuda