イギリスの化粧品ブランドLUSHは6月1日、インドネシア・スマトラ島の西トバの熱帯雨林の保護や生物多様性の認知向上を目的としたチャリティ商品『オランウータン ボム』の販売を開始した。
売り上げは、消費税を除く全額を自然保護団体Sumatoran Orangutan Society(SOS)に寄付し、西トバの長期的な森林保護・再生に役立てられるという。
『オランウータン ボム』は、オランウータンが生息するインドネシア・スマトラ島からリジェネラティブ(再生可能)な方法で調達された原材料を使用したバスボム(入浴剤)。オレンジ色でキュートなオランウータンの形をしており、落ち着くウッディーな香りが楽しめる。
しかも、中にはサプライズが秘められている。
ハスボムを湯船に溶かすと、中からスマトラの森への“チケット”が出現し、QRコードを読み込むと、鳥の歌声やオランウータンの鳴き声など、西トバの熱帯雨林の音を聴くことができる。
森の音を聴くことで、現地の問題や支援の重要性をより身近に感じさせてくれるだろう。
気候変動への関心が高まっている中、生物多様性も同じく、地球環境を守る上で「待ったなし」の状況にある。
地球上ではさまざまな生物がお互い影響し合いながら、複雑な生態系を構成している。そのため、少しでもバランスが崩れれば、生態系全体に与える影響は計り知れないーー。
しかし、土地開発や汚染、外来種の持ち込みや気候変動などの「人間活動」を背景に、すでに動植物のうち25%が絶滅危惧種に指定されている。また、1970年から2016年の間に、哺乳類、鳥類、両生類、爬虫類、魚類の個体数は、地球全体で平均68%も減少した。
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また最近では、気候変動対策の一部が、生物多様性に悪影響を与えていることも指摘されている。
再生可能エネルギーとして期待されているバイオマス電力だが、一部では燃料入手のために森林が破壊されているという現実もある。
それこそ、LUSHの同キャンペーンの支援活動が行われているインドネシアでは、バイオマス燃料の一つ「パーム油」の原料となるアブラヤシを栽培するため、熱帯雨林や泥炭地が農地化され、先住民に加えてオランウータンなどの野生動物も住処を失っている。
LUSHは2017年からSumatoran Orangutan Society(SOS)と連携したキャンペーンに取り組んでおり、これまでも熱帯雨林の再生やオランウータンの繁栄を目指し、さまざまなチャリティ商品を販売してきた。それらの売り上げによる寄付金で、合計150ヘクタールのパームプランテーションの土地を買い取り、森林再生活動を支援しているという。
「オランウータン ボム」(税込730円)は6月1日から23日までの期間限定で、全国の76店舗および公式オンラインストアで購入できる。
【参考動画】
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オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
バスボムでオランウータンを救え。LUSHの新商品に隠されたサプライズとは?