アメリカ・フロリダ州のロン・デサンティス州知事(共和党)は、自らが署名した法案を批判したディズニーに、報復を考えているようだ。
知事は4月19日、オーランドにあるディズニー・ワールドで55年続いてきた、特別自治権の終了を検討するよう、州議会議員たちに呼び掛けた。
ディズニーは、1967年に成立した州法「リーディ・クリーク・インプルーブメント・アクト」によって、ディズニー・ワールドを“独立した特別地区”として管理できる権限を与えられた。
これにより、ディズニー・ワールドは多くの州規則の適用や、一部税金の支払いが免除されてきた。テーマパーク内には、独自の送電網まで整備されている。
しかしデサンティス知事は19日、1968年11月5日以前に成立した独立特別地区の撤廃を、議会に呼びかけた。その中には「リーディ・クリーク・インプルーブメント・アクト」も含まれている。
すでに、撤廃検討のための特別立法会議が、19日から最長22日まで予定されている。
特別地区の撤廃は、ディズニーに対する報復だと見られている。
デサンティス知事は、ディズニーが通称「ゲイと言ってはいけない法案」への反対を表明して以来、同社を攻撃してきた。
この法案は、幼稚園から小学3年生までの間、公立校で性的指向や性自認についての議論を規制する内容で、違反した場合は親たちが学校を訴えられる。
法案は全米で物議を醸したものの、デサンティス州知事は3月28日に署名した。
ディズニーのボブ・チャペックCEOは、初めはこの法案に中立の立場を取っていたが、従業員やLGBTQ活動家らからの批判を受けて謝罪。
法案への反対を表明し、フロリダ州への政治献金を止めると発表した。
ディズニーは、知事が法案に署名した3月28日にも批判のコメントを発表し、「会社として私たちのゴールは、この法律の議会での廃止、もしくは裁判での撤廃です。そのための活動を続けている連邦や州の団体への支持を続けます」と、反対し続ける立場を強調した。
ディズニーはフロリダ州最大の民間雇用主で、州議会にも大きな影響力を持っている。しかし、共和党と対立したことで、同州での特別な地位が危険にさらされる可能性が出てきた。
ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆しました。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
ディズニー・ワールドの自治権剥奪をフロリダ州知事が検討。議会に終了を呼びかける