ウクライナからたった1人で隣国スロバキアに避難し、「ヒーロー」と称賛された少年が、再び家族に会うことができた。
母親は少年と再会後、「私たちはすべてのものを失ったけれど、元気です」と語った。
少年は3月上旬、ウクライナ南東部のザポリージャから700マイル(約1126キロメートル)の道のりを列車や徒歩で1人で避難した。
ザポリージャでは3月4日未明、原子力発電所がロシア軍によって攻撃を受けた。
少年の母親は夫と死別しており、体の不自由な祖母を残して逃げることができなかった。そのため、少年を1人で避難させるという苦渋の決断をしていた。
少年は1枚のビニール袋とパスポートを持っていた。スロバキア当局は、手に書かれた電話番号を手がかりに、首都ブラチスラバにいる兄らと連絡を取ることができていた。
母親は少年を世話してくれたボランティアらに感謝を述べていた。
そしてスロバキア警察は3月16日、少年が故郷に残っていた母親や祖母に再会できたことをFacebookで報告した。
少年が母親と抱き合い、笑顔を見せた様子や、兄や姉たちとの集合写真を投稿した。
Peopleによると、警察はFacebookで家族が再会した経緯を説明した。
ロシアによる爆撃が続いたため、少年の母親は祖母と共に逃げることを決意。
2人は小さな犬と一緒に非常に困難な旅を乗り越え、3月14日に少年やそのきょうだいたちと会うことができた。
そして、投稿によると、この家族が戦争から逃れたのは、今回が初めてではなかったという。彼らは数年前、ロシアの侵攻を受けたシリアから、ウクライナに逃れてきていた。
警察は「家族は再び一緒にいる。彼らは再び全てを失ったが、この戦争は彼らから誰も奪うことはなかった。彼らは一緒であり、それが全てだ」と述べた。
ITVニュースによると、母親も「私たちはすべてのものを失ったが、元気です」と語った。
国連難民高等弁務官事務所によると、3月15日時点でウクライナから近隣国に避難した人の数は300万人以上に達している。
子ども支援専門の国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」によると、戦闘や空爆から子どもを守るため、大人や家族を伴わずに子どもを避難させるケースは増えているという。同団体では「周辺国にいる親せきや友人家族と会えるように、家族の追跡と再会のための支援を進める」としている。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
ウクライナから1人で隣国に避難した少年、家族と再会。母親は「全てを失ったけれど、元気です」【画像】