歌手のCoccoさんが2月25日に自身のSNSで、今後メディアに顔を出さないで音楽活動を行っていくことを明らかにした。
23日に音楽番組『テレ東音楽祭2022春』で生歌唱した際には、黒いベールをまとい、表情がはっきりとはわからない衣装で登場したことも話題となっていた。
昨日はテレビ東京系「テレ東音楽祭2022春」にて、
「強く儚い者たち」をダンサーの皆さんと共に歌唱させて頂きました!
ありがとうございました! pic.twitter.com/jKWH9a0Sv5— Cocco (@CoccoOfficialT) February 24, 2022
「『みんなが喜ぶ』と言われると私は無理をしてもがんばってしまう」
Coccoさんは1997年にデビュー。音楽活動のほかにも、出身地である沖縄の米軍基地問題や環境保護などについても発信してきた。
2月25日にYouTubeに投稿した動画で、メディアに顔を出さずに活動することを発表。その理由として、「歌を歌っていくこと以外のストレスとか、体力の消耗とかを少しでも減らしていかないと、続けていく自信がないお年頃」と説明した。
2022年にデビュー25周年を迎え、「この先はもう本当に自分が辛いとおもうことは減らしていってもいいのではないか」と感じたという。
「最初から顔を出さない方針の人は出さなくていいけど、途中から出さないというのは通らない、前例がない、となかなか私の希望はこれまで受け入れてもらえなかった」というが、「歌をつづけていくために、自分にとってストレスのない環境づくりは自分で作っていかなければと思う」とし、理解を呼びかけた。
翌日の26日には、Twitterに手書きの文章を公開。デビュー時、スタッフに対し「どうにか顔を出さずに活動していけないか」と希望を出したが、「自分の意に反する妥協があったとしても、私以外の人にとってはプラスになるというなら、今度だけ、がんばろう、次までやってみよう」と、25年、顔を出しての活動を続けてきたと明かした。
これまでに摂食障害などを経験し、「最近、自分の幸わせについて考えばければと思うようになった」(原文ママ)と心境の変化があったという。
「自分の得手不得手や、好きや苦手についてちゃんと自分をわかっていて守れているかな、とささいなことからひとつひとつ考えるようになりました」
テレビ出演に「漠然とした恐怖心」
音楽番組やトーク番組にも出演していたCoccoさんだが、テレビに出演することには「漠然とした恐怖心があって、がんばってみても、それを克服できなかった」という。
先日の音楽番組で顔を隠して歌ったあとには、「私は自分の心が傷付いていない」と感じ、「自分の心が無理をせずにがんばれる丁度いいところを、見つけられたみたいでうれしかった」と振り返った。
Coccoさんは「これまで私の幸わせは評価されることだった」(原文ママ)とした上で、こう続けた。
「『がっかりされないこと』が自分の中で1番大切なことでした。もうこんな大人になって情けない話だけれど、やっぱり『男の子だったらよかった』と言われて育った子供時代の私にまだ超えられていない壁があったと思います。
いつもどこかで自分が申し訳なくて『みんな』に評価されなければとがんばってきた気がします。『みんなが喜ぶ』と言われると私は無理をしてもがんばってしまう」
今回の発表について、「自分を守るために『NO』が言えたことがうれしい」とし、その選択をスタッフやファンにも受け入れてもらえたことに安堵したとつづった。
また、『男の子だったらよかった』と言われて育ったことについては、『いいえ、私は女の子です』って大きな声で言えればよかった」とも振り返った。
これからも音楽活動を続けていく意向も示し、最後には、「自分の幸わせを守りながらみんなに届くように歌っていきます。どうか待っていてね。いつもありがとう」(原文ママ)と、締めくくった。
このTwitter投稿には6万をこえる「いいね」がついた。Coccoさんの「自分の幸せを第一にする」という選択について、「誰の中にもある『自分を守る為のNO』はとても大事なことだと思う」「色んな人が生きやすい世界になってほしい」など、共感や応援のメッセージが多数寄せられている。
25年目の決意の詳細です
4枚あります Coccoよりx pic.twitter.com/SvshlHEppq— Cocco (@CoccoOfficialT) February 26, 2022
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
歌手Coccoさん「自分を守るために『NO』を」今後メディアに顔出さずに活動、その理由に共感の声集まる