日本政府は2月27日、北朝鮮が弾道ミサイルとみられるものを発射したと発表した。
首相官邸は27日午前8時2分にTwitterで、「北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されました」と投稿。海上保安庁は午前8時16分、「北朝鮮から発射された弾道ミサイルの可能性があるものは、すでに落下したものとみられます」と発表し、船舶に対して今後の情報に留意するようメールで呼びかけた。
共同通信によると、飛翔体は日本の排他的経済水域(EEZ)外へ落下したとみられるという。
この北朝鮮による飛翔体発射のニュースが報じられた時、林芳正外務大臣はNHKの日曜討論に出演していた。テーマは「ウクライナ危機」だった。
午前8時5分ごろ、NHKが「北朝鮮から弾道ミサイル可能性あるもの発射 政府発表」とのテロップを表示。ウクライナをめぐる議論の途中で、井上あさひアナウンサーが「ここで、先ほど画面でもお伝えしていましたが、政府は先ほど北朝鮮から弾道ミサイルの可能性のあるものが発射されたと発表しました」と伝え、林大臣に見解を求めた。
林氏は「今私もテロップで見ましたけれども、今回のウクライナの事態、これはウクライナや欧州のみにとどまらず、世界、とりわけインド太平洋、とりわけ東アジアにも影響を与えうる事態であると我々言って、G7でもそのことを私からも申し上げてG7でも一致してそうしたメッセージを出してきたところでございます」と回答。
その上で、北朝鮮による飛翔体発射については、「今回の発射が、それと関連づけて、どういう意図で、ということは、まだ情勢分析はしておらないわけですけれども、やはりこうした事態にはしっかり備えを持っておかなければいけないという思いを新たにしたところでございます」と語った。番組はその後、ウクライナ情勢についての議論を再開した。
北朝鮮によるミサイル発射は、2022年に入り相次いでいる。
防衛省によると、北朝鮮は1月だけで6日にわたり、短距離弾道ミサイルや中距離弾道ミサイルなどを発射した。岸信夫防衛大臣は1月31日の臨時記者会見で、「北朝鮮は今年に入ってから、巡航ミサイルの発射発表も含めれば、4週間弱で7回におよぶかつて無い頻度で、また新たな態様での発射を繰り返している」と語っていた。
1月に発射が相次いだことについて、日本政府関係者はハフポスト日本版に、「北朝鮮は開発しているがまだ打ったことのないミサイルを打って、性能などを確認しようとしているのではないか」と述べ、北朝鮮がミサイル技術を向上させるための実験を繰り返しているとの見方を示している。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
NHK日曜討論出演中に…北朝鮮がミサイル発射のテロップ。林外務大臣「しっかり備えを持って」