同性同士のデートを禁じるユタ州のブリガムヤング大学(BYU)を、アメリカの連邦政府教育省が調査していることが明らかになった。
BYUは、末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)が運営する私立の大学だ。
2020年に大学の倫理規定から同性愛行為の禁止を削除したが、撤廃から2週間後に「倫理規定で定められていなくても、同性同士の恋愛行為は禁じられている」と通達。同性間での手をつなぐ、キスをするなどの行為を処罰する方針を示した。
ソルトレイクトリビューンによると、このBYUの「同性愛行為禁止」について、教育省の公民権局が2021年末に調査を開始した。
末日聖徒イエス・キリスト教会は近年、LGBTQ当事者の信者を受け入れる方向に舵を切ったが、同性婚は禁じている。
同性間の恋愛行為禁止について、BYUは「倫理規定を改定しても、道徳基準は変わらない」と説明した。
これに対して、2020年3月には生徒らが抗議デモを実施し「家族から求められていないと感じているのに、学校まで私を否定するのか」「抑圧されているという感覚にうんざりしている」と訴えた。
アメリカには、学校や教育プログラムでの性別に基づく差別を禁じた「タイトル・ナイン」と呼ばれる法律があり、BYUに対する連邦政府の調査は、この法律に基づいて行われている。
しかし、宗教系私立大学であるBYUでは、宗教上の教えと相反するルールの適用は免除されるという。
広報担当者は「BYUは、末日聖徒イエス・キリスト教会の教義に反するタイトルナインのルール適用の対象外です」と述べて、連邦政府にこれ以上の動きはないだろうという考えを示した。
それでも、連邦政府が宗教系の私立校を調査するのは非常に稀なケースであり、BYU卒業生で、メソジスト教会系のエバンズビル大学副学長マイケル・オースティン氏は「調査官が介入したというのは、重大なことだ」とソルトレイクトリビューンに述べている。
オースティン氏によると、一般的に宗教系大学に調査が行われるのは、構造的問題や深刻な問題があると判断された場合だという。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
同性カップルのデートを禁止した大学を、米連邦政府が調査。大学は「法律からの免除」を主張