強盗事件を無視してポケモンGOをした警察官、解雇を裁判所が適切と判断

アメリカ・カリフォルニア州の控訴裁判所は1月7日、強盗事件の応援要請に応じず、ポケモンGOをしていた2人の警察官の解雇決定を支持する判決を言い渡した。

車内の録画記録から、2人は応援を要請する無線を無視した後、珍しいポケモンを捕まえようとしていたことが明らかになっていた。 

応援要請を無視してポケモンがいる場所に

裁判文書によると、元ロサンゼルス市警のルイ・ロサーノ氏とエリック・ミッチェル氏は2017年4月、ショッピングモールで発生した強盗事件に対応した警部を援護するよう無線で求められた。

しかしロサーノ氏がミッチェル氏に「援護したくない」と述べたという。

その後、2人の監督者である巡査部長が再び無線で応援を要請した際に、ミッチェル氏がロサーノ氏に無線に応答するべきかと尋ねると、ロサーノ氏は「無視したらいい」と答えた。

さらにその発言から5分後、ミッチェル氏はロサーノ氏に「近くの交差点にポケモンのキャラクター、カビゴンが出現した」と伝えた。

それからの20分間、DICVS(デジタル車内ビデオシステム)には、2人がポケモンの話をしながら、カビゴンが現れた場所に向かう様子が映っていた。

さらにカビゴンを捕まえに行く途中、ミッチェル氏はロサーノ氏にトゲチックと呼ばれる別のポケモンが現れたことを伝え、2人はカビゴンを捕まえた後に、トゲチックが出現した場所にも向かった。

トゲチックが現れた場所に車を停車させた後、ミチェル氏が「逃げるな、逃げるな」と言っている様子が記録されていた。また、ロサーノ氏は「ウルトラボールを使って」捕獲する方法を説明した後に、トゲチックを「捕まえた」と述べた。

2人がともに捕獲に成功した後、ミッチェル氏は「他の人たちに羨ましがられるだろう」と発言していた。

裁判所は解雇を正当だと判断

裁判文書には、無線に応答しなかった理由を巡査部長から尋ねられた2人が「周辺で大音量の音楽が鳴っていたため、無線が聞こえなかった」と答えたと説明されている。

しかし行動を不審に思った巡査部長がDICVSを調べた結果、2人が無線を無視しただけでなく、強盗事件が起きている時にポケモンを捕まえていたことが明らかになった。

ロサーノ氏とミッチェル氏は、車内記録を提示された後もポケモンGOをやっていたことを否定。「車内でポケモンについて会話していただけであり、ミッチェル氏がポケモンGOプレイヤーのグループから警告のメッセージを受け取った」と述べた。しかし調査した刑事は、2人が真実を話していないと結論づけたという。

その後、2人の警察官は勤務中の不正行為で告発され解雇された。

ロサーノ氏とミッチェル氏は解雇決定を不服としてロサンゼルス市を提訴し「プライベートな会話の記録を証拠として使用することはできない」「弁護士の立ち会いがない状態で取り調べを受けた」と主張したが、控訴裁判所はロサンゼルス市の解雇決定を正当と判断した一審判決を支持した。

判決で控訴裁判所は、2人の行動を「甚だしい不正行為」だと述べて記録の証拠使用を認め、弁護士の立ち会いがないことで取り調べを受けたことが権利侵害にあたるかどうかについては「取り調べはこの件を調査していた巡査部長の一般的な職務にあたる」と指摘した。

ロサンゼルスタイムズによると、警察官の代理人は「解雇された警察官たちは判決に落胆しており、今後どうするかを考えている」と述べた。

ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆しました。

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強盗事件を無視してポケモンGOをした警察官、解雇を裁判所が適切と判断

Josephine Harvey