年末年始やお正月シーズンに気をつけたいのが、お餅を喉に詰まらせることによる窒息事故です。例年、高齢者が餅を喉に詰まらせて亡くなる事故は後を絶ちません。
お餅を食べる時は小さく切ったり、周りの人が見守ったりするよう、消費者庁が呼びかけています。
お餅による死亡事故は1月に集中している
消費者庁の公表資料によると、65歳以上の「お餅」または「もち」を含む窒息事故による死亡者数は、1月に集中しています。
2018年から2019年には計661人が亡くなっていて、そのうち43%を占める282件が、1月に起きた事故でした。
お餅を食べる時の注意点は?
高齢者は、歯の機能が衰え、噛む力が弱くなるなどの様々な要因で、窒息のリスクが高くなるといいます。
消費者庁は、お餅を食べる際は、以下の点に注意するよう呼びかけています
- 餅は、小さく切り、食べやすい大きさにしてください。
- お茶や汁物などを飲み、喉を潤してから食べましょう。(ただし、よく噛まないうちにお茶などで流し込むのは危険です。)
- 一口の量は無理なく食べられる量にしましょう。
- ゆっくりとよく噛んでから飲み込むようにしましょう。
- 高齢者が餅を食べる際は、周りの方も食事の様子に注意を払い、見守りましょう。
もし喉に詰まってしまったら応急手当を
万一窒息事故が起きてしまったら、どうしたらいいのでしょうか。
消費者庁は、周りに複数いる場合は119番通報して救急車を呼び、速やかに異物除去の応急手当をするよう呼びかけています。救助者が1人だけの場合は、119番通報の前に異物除去をします。
応急手当は、「腹部突き上げ法」(※妊婦や乳児には行わない)と「背部叩打法」があります。
方法は、東京消防庁のYouTubeチャンネルや、日本医師会の公式サイトなどで掲載されています。
入浴中の溺水、掃除にも注意を
年末年始に起きる高齢者の事故として、消費者庁は他にも、「入浴中の溺水」や「掃除中の転落など」に注意喚起しています。
▼入浴中の溺水事故を防ぐためのポイント
- 入浴前に脱衣所や浴室を暖めましょう。
- 湯温は41度以下、湯につかる時間は10分までを目安にしましょう。
- 浴槽から急に立ち上がらないようにしましょう。
- 食後すぐの入浴や、飲酒後、医薬品服用後の入浴は避けましょう。
- 入浴する前に同居者に一声掛けて、意識してもらいましょう。
- 湯温や部屋間の温度差、入浴時間など普段意識しにくい部分について、温度計やタイマーを活用して見える化するようにしましょう。
▼掃除中の転落などの事故を防ぐためのポイント
- 脚立やはしごを使用した高所作業は極力控え、行う場合は広いステップや上枠がついた身体のバランスを取りやすい用具を使い、安定した場所で無理なく行いましょう。踏み台等を使っての作業も安定した場所で行いましょう。
- 滑りやすい場所で掃除をする際には転倒に注意し、足場が濡れている場合は事前に拭き取りましょう。
- 洗剤などの取扱説明、注意表示をよく確認し、正しく使用しましょう。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
お餅の窒息事故に警戒を。「周りは見守って」 食べる時の注意点は?