岸田文雄首相は来年2月に中国で開かれる北京冬季五輪への政府関係者の派遣を見送る方針を決めた。24日、表明する。首相はかねて中国当局による香港や新疆ウイグル自治区などでの人権弾圧に懸念を表明していた。すでに「外交的ボイコット」を表明している米国などと一定程度、歩調を合わせることになる。
首相は16日の参院予算委員会で「私自身の参加予定はない」と表明。閣僚級の派遣の見送りも決めた。21日の記者会見では「適切な時期にわが国の外交の観点などさまざまな点を勘案し、国益に照らして判断する」と話していた。
政府内では、中国側が今夏の東京五輪に、苟仲文(こう・ちゅうぶん)国家体育総局長を派遣したことから、外交上の「返礼」として北京五輪にスポーツ庁の室伏広治長官ら閣僚ではない政府関係者を派遣する案も取り沙汰された。
だが、中国の人権状況に改善の兆しはなく、自民党内からも厳しい対応を求める声が噴出。23日も同党の外交部会と外交調査会が政府関係者の派遣見送りの早期表明を求める決議を林芳正外相に申し入れており、政府関係者の派遣は国内外の理解が得られないと判断した。
ただ、日本は中国との地政学的なつながりが無視できず、経済界などにも関係改善を求める声は強いため、東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の橋本聖子参院議員や日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長が出席する可能性がある。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4e9d5e4f736695bd7862ae4134b5d63bc32754fc
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