シンガポールで男性が野生のカワウソの群れに襲われ、20箇所を噛まれる被害にあった。
命の危険を感じた男性は、子どもたちのことを思い浮かべて「こんなことで死ぬわけにはいかない」と難を逃れたと振り返っている。
被害にあったのはグラハム・スペンサーさん。
StraitsTimesによると、11月30日朝に暗がりを散歩中、植物園の入り口付近で、20匹ほどのカワウソの群れが数メートル前の道を横切るのを目撃した。
カワウソはゆっくりと移動していたが、ランニング中の別の男性が向かってくると様子が一変。その男性を噛もうとした。男性が攻撃をかわして走り去ると、残されたスペンサーさんが標的に。
スペンサーさんはロイター通信の取材に「カワウソの群れは、自分のことを、暗がりで仲間のカワウソを踏んだランニング中の男性だと誤認したのでは」と振り返った。
くるぶしを噛まれたスペンサーさんが顔から地面に倒れ込むと、カワウソたちは脚や臀部にのしかかり、指を噛んだ。
一緒にいた友人が叫び声をあげ、カワウソたちが一瞬怯んだ隙に、2人はその場を逃れた。カワウソたちは少しの間、後を追いかけてきたという。スペンサーさんは20箇所以上を噛まれ、病院で針を縫う手当を受けた。
このエリアでは過去にも、カワウソがひとに危害を加えたことがあったが、カワウソは脅威を感じない限り人を襲うのは稀だと、動物愛護団体が説明している。
スペンサーさんはロイター通信の取材に「倒れたとき、時間が止まったようだった」と当時のことを振り返った。
頭をよぎる命の危険をかき消すように、「こんなことで死ぬわけにはいかない。こんな終わり方なのか」と考えていたと告白。「(自分がカワウソに噛み殺されたと聞いたら)子どもたちはどう思うのか」と奮起し、立ち上がったと答えた。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「こんなことで死ぬわけには…」カワウソの群れに襲われた男性の心の叫び