小中学生の少女向け雑誌『なかよし』で連載中の2作品の連載を終了することを、版元の講談社が12月13日に公式サイトで発表した。
共同著作者で原作を担当していた人物が、小学生女児に対する強制わいせつ事件で逮捕され、有罪判決が出たことが理由。単行本を店頭から回収し無期限の出荷停止にするほか、電子書籍版の削除などを進めるという。
連載を中止するのは『はらぺこペンギンカフェ』と『とむとじぇりーナナイロ』の2作品。いずれも「きゃらきゃらマキアート」というユニットが手がけている。
講談社の発表によると、このユニットの共同著作者で主に原作を担当していた人物が、2020年春から夏にかけて小学生女児に対する強制わいせつ事件などを起こし、逮捕・起訴。2021年11月25日に懲役3年(執行猶予5年)の有罪判決を受け、確定したという。
講談社は「小学生・中学生等の皆様を対象読者とする同誌において連載中であった著者が、このような事態を起こしてしまったことにつきまして、断じて許されない卑劣かつ悪質な行為」として被害者らに深くお詫びするとともに、読者に謝罪している。
きゃらきゃらマキアートの公式Twitterは12月14日、「様々な事情があり、きゃらきゃらマキアートとしての活動を続けていくことができなくなりました」と活動終了を報告している。作画担当者の発言と見られており「『絵を描く』ということは私の全てでした」「私自身悔しく辛く断腸の思いではあります」と無念さをにじませている。
MIJ FACTORY HARAJUKUの公式Twitterによると『はらぺこペンギンカフェ』はペンギンのパティシエ「ポット」さんと、不思議なオーブンから生まれる可愛いお菓子の動物たちの楽しくほっこりな日常が描かれた漫画だという。
『とむとじぇりーナナイロ』は、アメリカの人気アニメ『トムとジェリー』のスピンオフ漫画。
『トムとジェリー』の公式Twitterによると、トムが営むレストランを舞台に、ひょんなことから7色に分かれたジェリーたちが物語を繰り広げる内容で、『なかよし』2021年8月号から連載を開始していた。
2021年12月13日
「なかよし」連載『はらぺこペンギンカフェ』等の終了及び著者との契約破棄についてのお詫びとお知らせ
平素は弊社の出版活動にご理解とご協力を賜り、まことにありがとうございます。
このたび、弊社「なかよし」で連載中だった『はらぺこペンギンカフェ』及び『とむとじぇりーナナイロ』につきまして、連載を終了したことをお知らせいたします。
当該作品の連載終了を決定し、本日公表いたしましたのは、同作品の共同著作者で主に原作を担当していた著者が、2020年春から夏にかけて起こした強制わいせつ等の事案で、その後逮捕・起訴されていたことが判明し、さらにこのほど有罪判決が確定したためです。
本年11月25日に、当該の著者は小学生女児に対する強制わいせつ等の公訴事実で懲役3年執行猶予5年(付保護観察)の有罪判決を受けました。上記いたしましたように、被告人本人は控訴せず判決は確定しております。
これまで、被害者側の心情に寄り添うことを第一と考え、また刑事裁判の進行状況等を勘案したことにより、公表のタイミングが本日となりました。弊社は本日までに著者との契約破棄、連載の終了及び当該作品のコミックスの店頭からの回収・無期限の出荷停止や、電子書籍版の削除等の措置を決定し進めております。
弊社は、小学生・中学生等の皆様を対象読者とする同誌において連載中であった著者が、このような事態を起こしてしまったことにつきまして、断じて許されない卑劣かつ悪質な行為であると考えます。被害者やその保護者、関係者の皆様に深くお詫び申し上げますとともに、読者のかたがたに謝罪いたします。
まことに申し訳ありませんでした。
今後も読者の皆様に愛される「なかよし」を発行しつづけることができるように、万全の編集体制と最大限の危機管理を心がけてまいります。
ご理解のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
講談社
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
『なかよし』連載漫画の原作者、小学生女児への強制わいせつで有罪判決。連載終了・単行本回収が発表「断じて許されない」