アメリカ・バイデン政権肝いりの「民主主義サミット」で、最終日の12月10日、台湾のオードリー・タン(唐鳳)政務委員が話している途中で、画面が一定時間映らなくなるハプニングがあった。
当時、画面には中国と台湾をそれぞれ違う色で塗り分けた地図が表示されていて、ロイター通信は「関係者は驚愕した」と伝えている。
民主主義サミットは、アメリカのバイデン政権が9日から2日間にわたって開催していた。最終日の10日、台湾のオードリー・タン(唐鳳)政務委員が登場したが、彼女が話している途中にトラブルは起きた。
南アフリカのNGO「CIVICUS」の調査をもとに作成された、国・地域ごとの市民の権利の解放度を示す世界地図で、中国大陸は赤色(閉鎖的)に、台湾は緑色(解放的)にそれぞれ塗り分けられていたのだ。
ロイター通信などによると、その後画像が見えなくなり、音声だけが流れる状態になった。ホワイトハウスの要請で消されたという。
関係者はロイター通信に対し「驚愕した」と伝えている。アメリカは台湾は中国の不可分の領土だとする「一つの中国」政策をとっており、政策と矛盾するのを避けようとした可能性がある。
民主主義サミットの公式YouTubeやタン氏のTwitterでは、画面が消されていない元の映像を見ることができる。
台湾のコロナ対策の立役者の一人でもあるタン氏は、日本でも高い知名度と人気を誇る。
タン氏はアメリカ・シリコンバレーで、アップルなどの顧問を歴任したあと、ビジネスの世界から「リタイア」。2016年、35歳という若さで蔡英文政権に入閣する。
コロナ禍でマスク不足が叫ばれた際には、民間プログラマーとの協働でマスクの在庫がリアルタイムで把握できる「マスクマップ」を開発した。
日本では「天才デジタル担当大臣(正しくは政務委員)」と呼ばれ、「IQ180」などと噂されることもある。また、トランスジェンダーであることを公表していて、生まれた時の名前である「唐宗漢」から現在の「唐鳳」に改名している。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
オードリー・タン氏の映像が消えるハプニング。その原因は地図の色?