「振り回すのは、もう勘弁してください!!」
現金とクーポンによる18歳以下への10万円相当の給付で、どのような場合に現金のみでの給付が認められるのか政府の基準がはっきりしないことに、全国の自治体から悲痛な声が上がっている。
愛知県犬山市の山田拓郎市長は12月7日、自身のFacebookに「実際に実務を進めるのは基礎自治体の職員。政府の皆さん、振り回すのは、もう勘弁してください!!」と投稿。
「そもそも、子育て支援なのか、経済対策なのか、生活困窮対策なのか、目的と手段と効果について、あとから辻褄を合わせて混乱している」と指摘し、「経費が少なくて済み、みんなが使いやすい現金給付で進めた方が良いのではないか」と主張した。
時間とコストの浪費解消を
「現場は混乱しています」と訴えたのは、千葉県の熊谷俊人知事だ。
10日に自身のTwitterに連続で投稿し、「現金給付は貯蓄に回る。だからクーポン券という発想は分からなくはない」と政府の方針に理解を示しつつ、国民が抱いている根本的な将来不安を取り除かない限り消費にお金は回らないと指摘した。
その上で「国民の税金の多くを事務経費に回し、かつ最前線でコロナ対応等に取り組んでいる自治体の負担を増やすのは得策ではない」と主張。「現場は混乱している。 総理や政府幹部が早く決断し、建前を守るために国と自治体が浪費している時間とコストを解消することを願う」とつづった。
おはようございます。政府の10万円給付問題がまだ終わりません。
現金給付は貯蓄に回る、だからクーポン券、という発想は分からなくはありませんが、これまでも消費喚起の名目で繰り返されたプレミアム商品券事業で購入された商品は主に米などの生活必需品で、玉突きで浮いた分が貯蓄に回っただけです— 熊谷俊人(千葉県知事) (@kumagai_chiba) December 9, 2021
永田町の常識は世間の非常識
また、10万円全額を現金で一括給付したかった大阪市の松井一郎市長(日本維新の会代表)は8日、松野博一官房長官が「(現金とクーポン)それぞれ別の給付措置で、同時に支給することは想定していない」と述べたことに対し、「永田町の常識は世間の非常識」と批判した。
10万円相当の給付を巡っては、クーポンで配る際の事務費に967億円がかかることが明らかになっており、野党などから批判が相次いでいる。
何かと忙しい12月に持ち上がった10万円相当の給付を巡る問題。特技は「人の話をよく聞く」という岸田文雄首相に、全国の自治体の首長たちの声はどう届いているのだろうか。
やっぱり永田町の常識は世間の非常識ですね。 https://t.co/6VuvtHVxsT
— 松井一郎(大阪市長) (@gogoichiro) December 8, 2021
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「もう勘弁して下さい!!」10万円給付で政府が迷走、自治体から悲痛な叫び