複数の政府関係者が明らかにした。
中国政府は今年7月の東京五輪開会式に苟仲文(こう・ちゅうぶん)国家体育総局長を出席させた。このため、日本も外交上の「返礼」として、北京五輪に同じ閣僚級を出席させる案も取り沙汰されてきた。
ただ、中国の人権問題などに対する批判が欧米で拡大。与党などからも首相や外相ら閣僚の出席は国際社会に誤ったメッセージを与えるとの指摘が出ていた。
政府内では、閣僚ではないスポーツ庁の室伏広治長官や日本オリンピック委員会の山下泰裕会長を派遣する案が浮上している。苟氏は閣僚級だが、中国オリンピック委員会のトップも兼ねる。
政府関係者ではない山下氏を派遣することになれば、外交的ボイコットを打ち出した米国と一定程度足並みがそろうとみられる。政府は中国側の対応や米国以外の先進7カ国(G7)の動向なども見極めつつ、最終判断する見通しだ。
岸田文雄首相は7日、官邸で記者団に対し、米国が北京五輪の外交的ボイコットを発表したことを受けた日本の対応について、「五輪の意義、わが国の外交にとっての意義などを総合的に勘案し、国益の観点から自ら判断していきたい」と述べた。
林芳正外相も記者会見で、「適切な時期に諸般の事情を総合的に勘案して判断するが、現時点では何ら決まっていない」と語った。さらに中国の人権問題に関し、「自由、基本的人権、法の支配が中国においても保障されることが重要だ」と指摘した。
https://www.sankei.com/article/20211208-LXZKVPPE45K65ARDAPFMKVSOZM/
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