CNNは11月30日、同局の人気アンカーのクリス・クオモ氏を、兄のセクハラ疑惑に関連して無期限の停職にしたと発表した。
クオモ氏の兄は、性的ハラスメントによって辞任に追い込まれた前ニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモ氏。停職発表前日の29日には、ニューヨーク州司法長官がクリス・クオモ氏が兄の問題に深く関わっていたとする文書を公表した。
CNNは声明で「クリスは兄のスタッフにアドバイスをしたということを認めていました。これは規定違反であり、我々はそのことを公表していましたが、同時に彼の立場を尊重し、仕事より家族を優先する必要があると理解していました」
「しかしながら、新しい報告書は我々が把握していたより多くの関わりがあったことを指摘しています。そのため、我々はクリスを無期限停職にし、更なる処遇については保留します」と述べた。
クオモ前知事の性的ハラスメントが最初に告発されたのは、2021年2月。クオモ前知事は自らの行動について謝罪した一方で、「性的な誘いの意図はなかった」と主張した。
しかし、ニューヨーク州司法長官が8月に、11人の女性たちが知事にオフィスで不適切に触られたり、同意ないキスをされたりしたとする報告書を発表した後、クオモ前知事は辞任した。
11月29日に公表された文書には、クリス・クオモ氏が兄の側近と交わしたメッセージやメール、証言の内容が記載され、兄を助けようとしていたことがうかがい知れる。
例えば、クオモ前知事が結婚式で無理やり女性にキスしようとしたという記事がニューヨークタイムズに3月に掲載された後、クリス・クオモ氏は兄の側近だったメリッサ・デローザ氏に「対策をする手助けをしたい」というメッセージを送っていた。これに対してデローザ氏は、クリス・クオモ氏のジャーナリストとしてのコネクションを利用して、この女性の詳細を探るよう求めている。
クリス・クオモ氏は「わかった」と返答し、さらに別のメッセージでは「結婚式の女の子の手がかりがつかめた」と伝えた。
これらのやりとりが明るみに出たことで、ジャーナリストの立場を利用して、兄の疑惑を回避するのを助けようとしたのではないかという厳しい目が向けられることになった。
クリス・クオモ氏はこれまで、兄を助けたものの、性的ハラスメントの告発が続いた後には辞任するよう求めたと主張していた。
また、3人目の告発者が名乗り出た3月1日には、ニュース番組で「兄の問題を承知しています。私は兄弟なので、この問題を報じることはできません。もちろんCNNはこの問題について大きく取り上げ続けます。この問題を深刻に捉えていると、お伝えしたい」と述べた。
さらに、7月の捜査官の聞き取りでは、兄を助けたものの報道やジャーナリストたちに影響を与えるようなことはしておらず、もししたのであれば「人々は気づくだろう」と述べていた。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
クオモ前NY州知事のセクハラ疑惑で、弟のCNN司会者が無期限停職に。助けようとするやり取りが明らかに