驚くなかれ。
まもなく“札幌五輪”の開催内定が発表される。
かの地が開催地に立候補していたことすらご存じない方もいるだろう。
1964年東京五輪の8年後にあたる72年に開催された札幌冬季五輪は、日の丸飛行隊の活躍などで大いに盛り上がった。今回も札幌は、2020年東京大会が決まった後、30年冬季大会開催地に立候補していた。
「開催地選びは、過熱する招致活動が汚職の温床になるとの批判から、東京五輪を最後に投票制は廃止。今はIOCの作業部会で決める地味な方式になりました」
とJOC関係者が語る。
他に手を挙げているのは、アメリカのソルトレイク、スペインのピレネー・バルセロナ、そしてウクライナ。しかし、
「ソルトレイクは34年大会の方に注力し、ウクライナは紛争地で非現実的。都合、バルセロナとの一騎打ちですが、インフラ等で札幌が有利。加えて、東京五輪が無観客で中途半端に終わったため、“札幌で日本にリベンジの機会を”との気運が高まっているのです」(同)
そういえば、東京2020全日程終了翌日の会見で、橋本聖子組織委員会会長が“札幌”について触れ、
「もしまた組織委会長の依頼があれば、ぜひ受けさせていただきたい」
と語った。30年は9年も先の未来。鬼が笑う……というのがこの発言を聞いた人たちの感覚だっただろう。ところが、先の関係者曰く、
「早ければ今月末には“札幌内定”が全世界にアナウンスされることになります」
大きな障壁が
開催地は7年前に決めるのが慣習だったが、近年は早めに決める傾向にある。今年7月に東京で行われたIOC総会では、オーストラリア・ブリスベンが32年夏季大会開催地に決定した。IOC内部では“32年が決まったのに、30年が決まらないのは何事か”と苛立つ声もあるのだとか。
「そういうわけで、来年2月に北京で行われる総会で30年大会の開催地を正式決定する流れになったのです。それには年内に理事会で承認する必要があり、日程的には、作業部会は11月末に“最優先候補地”を選定、つまり内定を出さないといけなくなるのです」(同)
だが、ここで大きな障壁が立ちはだかる。
「開催には“政府の財政保証”が不可欠。それを岸田首相が出せるのか。東京五輪の決算がどうなったのか、明確な説明もないなかで、はたして国民が賛同してくれるでしょうか」(同)
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