アメリカ・ペンシルベニア州で、サタニスト(悪魔崇拝者)団体の求めに応じた学区が、「悪魔的な服装」の禁止を校則から削除した。
服装規定の削除を求めていたのは、地元の悪魔主義団体「サタニック・デルコ」で、「学校が悪魔主義だけを排除するのは不公平」と主張していた。
ペンシルベニア州のローズツリーメディア学区ではこれまで、暴力的なメッセージを伝える服装や所持品などに加えて、「悪魔主義的な服装や所持品」の禁止を服装規定で明記していた。
この規定について、サタニック・デルコ創設者のジョセフ・ローズ氏は「公立学校がすべての宗教を許容していながら1つだけ認めていないのは、明らかに不公平で憲法違反だ」と、フィラデルフィアのテレビ局WPVI-TVに話している。
サタニック・デルコは約1カ月、電話やメールで服装規定への不満を訴え続け、その結果、学区は悪魔主義的な服装に関する規定を削除した。
削除について学区長は「生徒や親や住人から不満や懸念が寄せられたわけではありませんが、生徒手帳に記載された(禁止の)文章を、現在の服装規定から削除します」と説明している。
ローズ氏らは、悪魔主義的でカルト的な衣服や所持品を禁止する別の学区でも、同様のキャンペーンを実施中だ。
今回の学区の決定をサタニック・デルコは「言論の自由の勝利」と歓迎しているが、懸念の声もある。
住民の1人は「学区は、子どもたちがナチスのシンボルが描かれたシャツを着て学校に通うことを認めるのでしょうか?」とWPVI-TVに述べ、決定を疑問視した。
悪魔主義への懸念がある一方で、サタニック・デルコは、自らのことを「実際には悪魔を崇拝している団体ではない」と説明している。
同団体のウェブサイトには 「私たちは悪魔の存在や超自然現象を信じているわけではありません。宗教は超自然現象と切り離して考えるべきだと信じており、特定の悪魔を推進することはありません。サタンという名前を使うのは、超自然主義や時代遅れで伝統を重んじる迷信とかけ離れた、合理的探求を大切にするからです。サタニストは批判的思考を磨き、全ての物事に置いて、理性的な不可知論を行使すべきです」と書かれている。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「悪魔的な服装」を禁止していた校則、悪魔主義者らの訴えで削除される