食糧不足で苦しんでいる人々を救うために、世界一の富豪であるあなたの資産の一部を提供して欲しい――。
そう呼びかけられたテスラのイーロン・マスクCEOが、「テスラの株を今すぐに売ってを寄付してもいい」とTwitterで答えた。
しかしそのためには「どうやって世界の飢餓を救えるかを正確に説明する」ことが条件だと述べている。
マスク氏に寄付を訴えていたのは、国連世界食糧計画(WFP)デビッド・ビーズリー事務局長だ。
ビーズリー氏は10月、「新型コロナウイルス感染症の影響で約4200万人の人たちが深刻な食糧不足の危機にある」とTwitterで警告。
その際に、ジェフ・ベゾス氏を抜いて世界一の富豪になったマスク氏に対し、「マスク氏が1日で稼ぐ金額に相当する66億ドル(約7520億円)があれば、4200万もの人たちが救える」と述べ、支援を求めた。
さらに、ビーズリー氏はCNNのインタビューでも、マスク氏の資産の2%に当たる60億ドル(約6836億円)で「WFPが支援しなければ死んでしまう4200万人を救うことができる」と語っている。
マスク氏が反応したのは、このCNNの記事をシェアしたツイートだ。
同氏は「60億ドルでどうやって世界の飢餓を解決できるのか、WFPがこのTwitterのスレッドで正確に説明できるのであれば、テスラの株を今すぐに売って支援しましょう」と答えた。
その上で「しかしお金が正確にどのように使われるかを一般の人たちが見られるように、オープンソースの会計で説明しなければいけない」とも求めている。
このマスク氏の投稿に、ビーズリー氏は「私たちには、透明なオープンソースの会計があり、マスク氏のチームはWFPと一緒に内容を確認した上で納得してもらえるだろうと回答した。
さらに、ビーズリー氏は「60億ドルは世界の飢餓を解決するのではありません。そうではなく、新型コロナウイルスや、紛争、気候変動などが原因で起きている地政学的な不安定や大量の人口移動を防ぎ、飢餓の危機にある4200万人を救うことができるのです」と説明している。
そして「あなたの助けで、私たちは希望をもたらすことができる。世界を安定させて、未来を変えましょう」と訴え、直接会って説明させて欲しいと求めた。
それに対して、マスク氏は「現在の支出とあなたが提案する支出の詳細を出してください。それを見れば、お金がどのように使われているかがわかります」とコメントしている。
気候変動や新型コロナウイルスの影響で、世界各地で食糧不足に苦しむ人々の数が急増している。
国連は10月に発表した報告書で、干ばつや紛争、新型コロナウイルス、経済危機などが原因で、アフガニスタンでは人口の半数以上が深刻な食糧不足に陥るだろうと予測し、緊急な援助の必要性を訴えた。
その一方で、世界トップレベルの富豪たちは、新型コロナウイルスのパンデミックの中でも資産を増やしてきた。
マスク氏はその筆頭とも言える存在であり、ブルームバーグのビリオネア指数によると、11月2日付でマスク氏の資産は3350億ドル(約38兆1700億円)。世界で最も裕福な人物になっている。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
イーロン・マスク、飢餓を解決する方法を国連が説明するなら「テスラ株を今すぐ売ってもいい」