自民党総裁選は9月29日、投開票されます。共同通信などによると、1回目の投票ではいずれの候補も過半数には届かず、上位2人による「決選投票」になる可能性が高い情勢となっています。決選投票の仕組みを解説します。
総裁選の仕組みは?
まず1回目の投票では、党所属国会議員による「議員投票」と、全国の党員・党友による「党員投票」の合計票数で争われます。
議員投票と党員投票はいずれも382票で、合わせて764票。議員投票は、国会議員1人1票で、9月29日に東京都内のホテルで投開票されます。
党員投票は各都道府県ごとに集計し、各候補者の得票数をもとに、「ドント方式」で配分します。
決選投票は?
国会議員票と党員票を合わせて、有効票の過半数を得た候補者が当選となりますが、いずれの候補も過半数に達しない場合は、上位2人による決選投票が行われます。
決選投票では、国会議員票(382票)と各都道府県連に1票ずつ割り振った地方票(47票)の合計429票で争われ、上位2人のうち得票数が多い方が総裁に選出されます。
各都道府県連の1票は、党員投票の結果に基づき、上位2人のうち得票数が多い候補者に加算する仕組みです。決選投票は、1回目の投票よりも国会議員票の割合が多くなります。
過去には「逆転勝利」も
直近で決選投票までもつれ込んだのは、安倍晋三氏と石破茂氏が争った2012年。総裁選には両氏のほか、町村信孝氏、石原伸晃氏、林芳正氏の計5人が立候補しました。当時、決選投票は40年ぶりの実施でした。
1回目の投票では安倍氏が141票(議員票54票、党員算定票87票)、石破氏が199票(議員票34票、党員算定票165票)と石破氏の得票数が上回りましたが、決選投票では安倍氏108票、石破氏89票で、安倍氏が総裁に選出されました。
その前は1972年まで遡ります。当時の佐藤栄作首相の後継をめぐって田中角栄、福田赳夫両氏が決選投票で争い、1回目の投票に続いて田中氏が勝利。いわゆる「角福戦争」を制しました。
Source: ハフィントンポスト
自民党総裁選、決選投票とは? どう決まるのか、仕組みを解説します