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関東大震災の貴重な記録映画、ネットで無料公開。都心を覆う火災、懸命に逃げる人々の姿も【画像集】

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10万5000人以上の死者・行方不明者を出した関東大震災から、9月1日で98年を迎えた。国立映画アーカイブは同日、ウェブサイト「関東大震災映像デジタルアーカイブ」を開設。震災後の惨状を記録した貴重な長篇映画『関東大震大火実況』の全編を初めてネット上で無料公開した。

 

のちの昭和天皇の姿も…

公開されたのは、文部科学省が監修し、全国規模での普及を図った長篇記録映画『関東大震大火実況』(1923年)。

大正〜昭和期の記録映画作家・白井茂さんが撮影を務め、関東大震災に関する映画の中でも特に知られる1本という。東京と横浜の凄惨な被災状況から、救護や治安維持活動にあたる官民の姿などを映した貴重な映像だ。

未曾有の災害発生後、懸命に生きた人々の様子が伝わる作品画像を紹介する。

地震発生直後に今川小路付近で発生した火が北へと延焼している。多くの避難民が坂を上って靖国神社方面へ移動したり、下の牛ケ淵沿いの広場に留まる姿がみられる。千代田区で撮影。罹災児童を対象に、文部省内の少年団日本連盟が主宰した「野外少国民学校」が開設された。本場面は、日比谷公園野外音楽堂での授業風景。江東区(当時は深川区)を流れる仙台堀川に架かる現・清澄通りの海辺橋。工兵隊により落下橋の復旧工事が行われたという。作品の最終部では、この海辺橋付近で馬上から視察する摂政宮(のちの昭和天皇)の姿が写されている。東京市社会局と桜楓会(日本女子大学の同窓会)による児童救護活動。撮影は、上野公園竹の台のバラック付近で行われたと思われる。大火後にみる万世橋駅(※かつて神田駅と御茶ノ水駅の間にあった駅)の焼跡の様子。煉瓦の壁体は残るも、屋根は焼け落ちて鉄骨が剥き出しとなっている。南西から駅舎正面を捉えており、駅前広場には日露戦争で戦死した広瀬武夫中佐と杉野孫七兵曹長の銅像がみえる。山下町の谷戸橋際にあったグランドホテルは、1873年に開業した。地震により倒壊焼失し、焼跡にはボイラーの煙突が残された。

 

2年かけて映画資料などを公開へ

記録映画は、国立映画アーカイブが国立情報学研究所と共同で制作したウェブサイト「関東大震災映像デジタルアーカイブ」で視聴できる。

国立映画アーカイブは今後、震災発生から100年にあたる2023年9月1日までの2年をかけて、所蔵する震災関連の映画フィルムを全て公開する予定という。その作品数は約20作品にも上る。

国立映画アーカイブは、「10万5千人に及ぶ死者・行方不明者を生み出した未曽有の巨大災害についての知識と関心をより高めていただくとともに、記録映画へのリテラシーを養い、映像ならではの発見や驚きを実感していただけるよう、今後も工夫を加えながら、成長するサイトとして育ててまいります」としている。

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Source: ハフィントンポスト
関東大震災の貴重な記録映画、ネットで無料公開。都心を覆う火災、懸命に逃げる人々の姿も【画像集】

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