ゲームの腕前を競う「e-sports」関連の人材育成に、中国が力を入れている。今年の夏には、大学に新設された「e-sports専攻」では初となる卒業生が誕生し、50万人規模の人材不足に悩む業界からは引く手数多だという。
「e-sports」はゲームの腕前を競うもので、格闘ゲームや、「MOBA」と呼ばれるチーム同士で相手の拠点を攻撃し合うものなど裾野は広い。賞金総額が億単位にのぼることもあり、日本でも都道府県対抗大会が開かれるなど盛んになってきている。
IT大手テンセントの「王者栄耀」など、大ヒットタイトルが生まれている中国でも熱気が高まっている。中国政府の教育部(文部科学省に相当)は2016年9月、e-sports関連の専攻科目を普通大学に新設。今年の夏に初の卒業生が誕生する。
このうち、中国伝媒大学では20人が卒業予定。国営放送・CCTVによると、すでに多くの学生がゲーム開発などを担う会社から内定を得ているという。中国伝媒大学の陳京煒(ちん・きょうい)副院長はCCTVの取材に「ゲームで遊んでいる専攻と思われがちですが、そうではありません。概論やゲーム製作などについて学んでいます。業界全体の景気が良いため、就職の機会も多いのです」と話す。
中国ではe-sports関連で36の職種があるとされ、大会の実況・解説のほかe-sportsチームの運営マネジメントやコーチなど多岐にわたる。CCTVなど現地メディアは、中国にはe-sports関連企業はおよそ1万8000社あり、2020年時点で人材が50万人ほど足りていないと指摘している。市場が急速に成長していることが背景にあり、2022年で市場規模は1800億元(3兆600億円)にのぼるとみられる。
Source: ハフィントンポスト
e-sports人材、50万人足りません。市場規模3兆円越え、「e-sports専攻」初の卒業生は就活市場で大人気 中国