バッハ会長の広島訪問、被爆者団体「感染者を増やすのは絶対やめて」

国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長とジョン・コーツ調整委員長が7月16日午後、それぞれ広島と長崎を訪問する。

被爆者団体はコロナ禍での訪問に疑問を呈し、「感染者を増やすことは絶対にやめてほしい」と訴える。

組織委によると、バッハ会長は午後、大会組織委員会の橋本聖子会長らとともに平和記念公園を訪問する。慰霊碑に献花をした後、平和記念資料館を視察。広島県知事や広島市長、被爆者と面談し、スピーチをする予定だ。

広島県原爆被害者団体協議会の箕牧智之理事長代行は、ハフポスト日本版の取材に「コロナ禍に来ることに疑問を感じている」と話す。

「市民、県民は歓迎していない。経済が疲弊しているところに、東京から警備や通訳、メディアなどを引き連れて、低く抑えられている感染者を増やすことは絶対にやめてほしい」と訴えた。

今回の訪問に対して「世論の反対ムードは高まっている」と県民・市民感情への配慮を求めた。

一方で「来るということであれば、物見遊山ではなく、原爆ドームの姿や平和記念資料館に展示された子供たちのシャツや写真を見て、(原爆の恐ろしさを)感じてとってほしい。幼い子供はたった数年で人生が終わってしまった」とも話す。

箕牧理事長代行によると、コロナ禍以前は、原爆ドームや平和記念資料館には多くの外国人の姿があったが、今はほとんど見かけないという。

「バッハ会長が世界に向けてどんな発信をするのかは注目している。コロナが終息して、広島に外国からたくさんの人が来ることに期待したい」と語った。

コーツ調整委員長も同じ日の午後、長崎原爆資料館や追悼平和祈念館を訪問し、献花やスピーチをする予定。

7月16日は、76年前にアメリカによる人類初の核実験「トリニティ実験」が行われた日。オリンピック関連では、国連で採択された「五輪休戦決議」の期間が始まる日でもある。

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Source: ハフィントンポスト
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Rio Hamada