なんだこれは……。日本近海のGoogleマップを調べていて目を疑った。陸地から数キロも離れた沖合いに、周囲2kmほどの三角形や、長さ10kmほどの直線が表示されているのだ。
何者かが人工島や基地が建設したのだろうか。それにしたって、あまりにも形が幾何学的で不自然だ。Googleマップを人工衛星が撮影した写真に切り替えると、そこは海で何も写っていない。Appleマップなど他社の電子地図でも表示されない。一体どういうことだろうか?
「謎の三角形」があるのは、能登半島の近くの日本海だ。石川県輪島市の輪島港から北西に約30kmの沖合いに、南北に約1kmの長い2辺、東西に約70mの短い辺に囲まれた細長い三角形をしている。七ツ島と舳倉島(へぐらじま)の中間地点に近い。
「謎の直線」は、青森県深浦町の大間越(おおまごし)漁港から西に約8kmの沖合いにある。南北には10~20mほどしかないが、東西に約10kmと細長く横たわっている。直線の西端から西に10キロほど行った先には久六島(きゅうろくじま)がある。
ハフポスト日本版では地図に関係する国土交通省などの政府機関や、地元自治体に取材した。しかし、政府が発行する地図には記載はなく、地元にもそうした地形に関する情報は全く入っていなかった。
日本全土の地形図を発行している国土交通省国土地理院の担当者
「国土地理院の地図には、干潮時に見える陸地について表記していますが、該当するものは掲載されておりません」
日本近海の海図を提供する海上保安庁・海洋情報部の担当者
「海上保安庁で刊行している海図には、2カ所ともそうした形の記載はございません」
「謎の三角形」に近い石川県輪島市の企画課の担当者
「こうした地形が海上にあるという情報は把握していません。自然物には見えないので、何かデータ上のミスではないでしょうか」
「謎の直線」に近い青森県深浦町の総合戦略課の担当者
「この場所に島や人工物はありません。これまでこうした物が表示されていたという情報も入ってませんでした」
このように政府機関や地元自治体は、いずれもGoogleマップにあるような「謎の三角形」「謎の直線」については把握していないというコメントだった。
『地図の進化論』(創元社)などの著書がある東京都立大学の若林芳樹教授に、今回の件について聞いたところ、以下のような見解だった。
「Googleマップで見る限りでは、海洋上にこのような幾何学的な形状が現れることはまずないので、原因はデータとその加工の過程で生じた不具合だと思います」
Source: ハフィントンポスト
日本近海に「謎の三角形」と「謎の直線」。Googleマップの不可解な表示について、政府機関と専門家に聞いた