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校則で下着・肌着の色柄規定、東京23区の区立中で4割超。一斉検査で「教員がチェック」の訴えも…

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下着・肌着の色柄の決まりがある東京23区の区立中学校(2021年6月時点、ハフポスト日本版調べ)

「下着は白以外のものはいけません」

「必ず白か肌色で無地の下着を着ること。※1度目は注意、2度目からは家に帰って着替えてくるよう指導を受ける場合もある」

校則で下着や肌着の色・柄を規定している区立中学校が、東京23区の全367校中158校(43%)に上ることが、ハフポスト日本版の6月時点の調査で分かった。 

下着の色を指定する校則や、教員が生徒の下着・肌着をチェックするなどの不適切な指導が全国的に報告されている。

ハフポスト日本版のアンケートにも、「下着や肌着を確認される」との訴えが複数寄せられ、指導者である教員からも疑問視する声が届いた。

 

規則「ゼロ」は港区のみ

ハフポスト日本版は2021年4月、東京23区の各区教育委員会に対し、「下着に関して校則で規定している区立中学校の規則文書」の情報開示請求をした。

このうち、下着・肌着とそれに準ずるもの(アンダーシャツ、インナーウェア)の色や柄の規定があったのは158校に上った。

規定があった区ごとの中学校数は次の通り。【※ ○=半数以上が規定あり】

○千代田区 1校(全2校)

○中央区 2校(全4校)

港区 なし(全10校)

新宿区 4校(全10校)

文京区 3校(全10校)

○台東区 6校(全7校)

墨田区 3校(全11校)

江東区 7校(全23校)

○品川区 7校(全9校)

目黒区 4校(全9校)

○大田区 15校(全28校)

世田谷区 4校(全29校)

渋谷区 2校(全8校)

中野区 2校(全9校)

杉並区 4校(全21校)

○豊島区 4校(全8校)

○北区 6校(全12校)

荒川区 3校(全10校)

板橋区 5校(全22校)

練馬区 13校(全33校)

○足立区 27校(全35校)

○葛飾区 17校(全24校)

○江戸川区 19校(全33校)

計23区 158校(全367校)

区によって区立中学校の総数にばらつきがあるが、下着・肌着の色などを定めている学校が半数以上を占めているのは次の10区だった。

【千代田区、中央区、台東区、品川区、大田区、豊島区、北区、足立区、葛飾区、江戸川区】

一方、規定がなかったのは港区のみだった。

下着の色を白に限定したり、柄物を禁止にしたりする校則は今も多い

「下着・肌着」ルール、3つのパターン

具体的にはどのような決まりがあるのか?

特徴別で、以下の3つのパターンが挙げられる。

パターン1:色は白。柄は「禁止」「無地orワンポイント」

例:

下着は白以外のものはいけません。(足立区)

下着…白色の無地のみとする。(江戸川区)

半袖ワイシャツの下には、白色(無地かワンポイント)の下着を着用する。(品川区)

ワイシャツの下には白の下着を着用、色・柄のある物は不可(杉並区)

 

パターン2:「地味な色」「華美でない」といった見た目の制限

例:

シャツの下には、必ず下着を着用しましょう。(地味な色の、無地かワンポイントまでとします。)(葛飾区)

肌着は華美でないものとする。(北区)

 

パターン3:男女で規定の内容が異なる

例:

下着…男子は白のシャツ、女子は白地の下着を着る。(足立区)

男子→白の肌着を着用する(胸のワンポイント可、体育着のTシャツは可)、女子→ブラウスまたはワイシャツの下は、白無地の下着を着用する。(江戸川区)

中には、規則に違反した場合、着替えるよう指導する可能性を明記する学校もあった。

例:

必ず白か肌色で無地の下着を着ること。※1度目は注意、2度目からは家に帰って着替えてくるよう指導を受ける場合もある。(江戸川区)

江東区の区立中学校の規則文書。「白無地の肌着を必ず着用」と記されている

「透け防止」と説明するが…

下着や肌着を白に指定する理由として、それ以外の色は「透けるため」と説明する学校は多い。

ただ、白いYシャツなどの下に着用する場合、白色は逆に透けやすいとも指摘されている

東京都の高校に通う女子生徒のAさんも、中学時代に校則で決められた「白い下着」に困惑した経験があると明かす。

江東区の区立中学校に通っていたAさん。黒色の肌着を着て通学したところ、教員に注意された。

さらにAさんは、修学旅行の前日に体育館で一斉に荷物検査を受けた際、下着の色を教員にチェックされたと証言する。

「下着や肌着が白だと逆に透けてしまう。どういう意図や根拠があってルールを決めているのか、理解できませんでした

 

男女の間に仕切りなく

下着や肌着のチェックは、東京都内の学校に限った問題ではない。

大阪市の女子高校生Bさんは中学時代、校則で「肌着は白」と定められ、月に1回のペースで同性の教員によるチェックを受けたと明かす。

「体育館や格技室で、女子はセーラー服、男子はシャツをめくって確認されました。男女の間に特に仕切りはありませんでした

当時、学校の指導方針をどう感じていたのか?

肌着のチェックそのものより、他の生徒に思いっきり見える状態でされることが嫌でした。白のみの肌着が乾かず、ワンポイントのついた肌着を仕方なく着てきている生徒に対してまで血眼になって指導していたのを気持ち悪く感じました。そもそも白は透けるので、ルールを無くしてほしかったです」(Bさん)

同校は、大阪市教委を通じてハフポスト日本版の取材に回答。「下着の色を含め、規則に沿った身だしなみをしているかを確認する指導を月に1回程度行っている」として、教員によるチェックの事実を認めた。

同校は目的について、「道徳心や規範意識の醸成、ルールを守ることの大切さを伝えるため」と説明する。

今後も従来の指導を続けるかについて問うと、「時代の流れを踏まえて対応を検討する」と回答した。

「セーラー服やシャツをめくって肌着を確認された」と訴える生徒も(イメージ)

「生徒同士で見張り合い」教員から疑問の声も

ハフポストが2021年1月から行っている「理不尽な校則・指導に関するアンケート」には、教室での下着・肌着の点検や、生徒同士の「見張り合い」の実態を訴える声が全国から寄せられた。

<下着の色は白と決まっており教師に確認される。着替えの時に下着の色を指摘するなど、生徒同士で見張り合いもされている。>(16歳、富山)

<現在高校生の娘の中学校では下着は男女とも白と決まっている。白いブラウスなので下着が透けて見えるのが嫌で、女の子はどんなに暑い真夏でもベスト(綿素材ではあるが)を着ていた。>(保護者50歳、東京)

<中学は毎朝教室で下着点検がありました。下着は白かベージュのみ。異性もいる教室で点検が行われていました。>(15歳、高知)

生徒や保護者だけでなく、教員からもこうした「指導」を疑問視する声が届いた。

<下着(上のシャツ)の色は白かベージュ。それ以外もしくは着ていない場合は違反カードを切られ、一定枚数切られると生徒指導。女子生徒は一列に並び、膝をついてスカートが床につくか確認され、化粧・眉毛について詳しく女性教員に調べられる。内容が教師から見ても理不尽で前時代的、生徒になぜダメか聞かれてもルールだからとしか言えないと思う。だから当時、指導するのがとても嫌だった。>(教員28歳、大阪)

 

文科省「絶えず積極的に見直しを」

文部科学省(東京都千代田区霞が関)

生徒の尊厳を侵害しかねない指導が全国各地で確認される中、国も対策に乗り出した。

文部科学省は6月8日付で、全国の教育委員会に対し、校則の見直しに関する文書を出した。ブラック校則や不適切な指導をめぐる昨今の報道を踏まえ、「一部の事案において、必要かつ合理的な範囲を逸脱しているのではないかといった旨の指摘もなされています」と強調。

その上で、校則の内容について、児童生徒の実情や社会の常識などを踏まえて「絶えず積極的に見直さなければなりません」と呼びかけている。

(國崎万智@machiruda0702/ハフポスト日本版)

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Source: ハフィントンポスト
校則で下着・肌着の色柄規定、東京23区の区立中で4割超。一斉検査で「教員がチェック」の訴えも…

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