現職優先、産前産後の負担大きく…クオータ制の実現、各党の「ハードル」は?

選挙候補者の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」の実現に向けた、超党派の女性議員による2回目の勉強会が6月14日に開かれ、実現の障壁となっている政党ごとの課題を共有した。

勉強会は非公開で行われた。会の事務局長で、ジャーナリスト・キャスターの長野智子氏によると、会では大きく分けて

・女性が立候補したい環境づくり

・小選挙区制の壁

という二つの論点をめぐって話し合われたという。

 

「オンライン国会」望む声

クオータ制の実現にあたっては、そもそも政治を志す女性の候補者を増やすことが必要だ。

勉強会では、子育て中の女性が国会議員に立候補したいとなった場合、「地元と東京の移動の負担が極めて大きい」問題があるとの意見が上がった。特に産前産後などの事情がある場合、オンラインで議決や投票などができれば負担の軽減につながることから、「オンライン国会」の実現を求める声もあったという。

さらに、選挙制度そのもののハードルの高さも議題に上った。

1選挙区から議員1人を選出する現在の「小選挙区制」では、政党が候補者を立てる際に現職優先に傾きやすく、新たに女性候補者を擁立することは容易ではない。

会合では、「男性の現職候補が落選した場合は次の選挙で女性候補者を立てるなどの工夫が必要」との意見もあったという。

このほか、女性候補の擁立について、都道府県連の理解を得ることの難しさを指摘する声もあった。

政治分野のジェンダーギャップ解消をめぐっては、「候補者男女均等法」の改正法が6月10日の衆院本会議で成立。国や自治体に対し、議員や候補者へのセクハラ・マタハラ対策が義務付けられた。

一方で、各政党に対する候補者数の目標設定の義務化は盛り込まれなかった。

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Source: ハフィントンポスト
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Machi Kunizaki