梅雨はジメジメする上に、臭いも気になります。ダイキン工業コーポレートコミュニケーション室広報グループの重政周之さんに、雨の日の臭いのメカニズムと除去の方法を教えていただきます。
梅雨どきに不快感を増してしまうのが、どこからともなく漂ってくる嫌な臭いです。
「湿気の多くなる梅雨に、臭いを感じるのは気のせいではありません。ダイキンで行った『臭いが気になる季節』についての調査でも、春は3%、秋4%、冬14%に対し、梅雨は33%、夏は28%と、梅雨から夏が高い結果となりました」(重政さん)
1年中気になると答えた人も55%と高く、多くの人が臭いに対して何らかの不満を抱えていることがうかがえます。嫌な臭いは、どこから発生するのでしょうか。
「家のなかの“臭い”の主な発生源は、キッチンでの調理などによるものです。換気扇で除去しきれなかった臭いの成分が居間などに広がって、壁やソファに吸着されます。これが閉めっぱなしにした室内が臭う原因になります。
湿気の多いときに嫌な臭いが気になるのは、水蒸気の働きによります。空気中の湿気が多くなると、空間と個体の水蒸気の濃度を同じにする力が働き、水蒸気が壁に吸着されます。臭いの成分の分子は水蒸気と同じくらいの大きさのため、壁に吸着していた臭い分子は水蒸気に押し出されて室内に放出されます。このため、梅雨どきは嫌な臭いを感じやすくなるのです」(重政さん)
水蒸気と臭いの原理を利用すれば、壁の臭いを除去できるといいます。
「室内の湿度を60%程度に上げると、2時間ほどで水蒸気が壁に吸着され、臭い分子が脱離してきます。梅雨でジメジメして臭いが気になるときは、まさにこの状態。壁から臭いの成分が出て、空中を漂っているのです。
水蒸気と臭いの成分は相性がよいため、一緒に除去することができます。窓から換気することで逃したり、エアコンや除湿器を使用したりして回収しましょう。部屋の条件にもよりますが、2時間程度除湿をすると効果を感じられると思います」
嫌な臭い退治に役立つエアコン、除湿器ですが、使い方によっては新たな臭いの元になってしまう可能性もあります。
「エアコンやコンプレッサー式の除湿器は、内部で結露を発生させて除湿する仕組みなので、正しく使わないとカビや菌が繁殖して嫌な臭いの元になりかねません。
運転後には、内部の湿気を逃がす必要があります。『内部クリーン運転(※)』がついている場合は切らず、ない場合は1〜2時間『送風』運転します。そのほか、定期的にフィルターなどのホコリを掃除する、除湿器のタンクに溜まった水はこまめに捨てるなど、適切なお手入れが大切です」(重政さん)
除湿することで嫌な臭いも減らすことができ、一石二鳥。梅雨どきを気持ちよく過ごせそうです。
※乾燥機能。メーカーによって名称が異なります。
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Source: ハフィントンポスト
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