Twitterに投稿された風変わりなパスタ動画を見た人たちは、フジッリ(らせん状のパスタ)のように頭をひねるはめになったかもしれない。
動画は5月11日、YouTuberのジャーヴィス・ジョンソンさんが投稿した(動画はすでに削除されている)。
「最も簡単に、大人数のためのスパゲティを作る方法」が紹介されていたのだが、これはもともと「ジョシュ&リサ」というFacebookページに投稿されたものだ。
動画のタイトルは「究極のスパゲティトリック!!」で、真っ白なキッチンカウンターの上にパスタソースをぶちまけて、その上にミートボールとチーズ、茹で上がったパスタを乗せる。そして大きな木製のスプーンでかき混ぜる。
混ぜたパスタの横にレタスを添えてフランスパンを飾り付けると出来上がりだ。
調理している人物は、「いつもこうやっています」「お皿などの心配をする必要がありませんよ」と、皿を使わない調理法をアピール。
動画の最後では「これがファミリースタイルだ」と宣言している。
この調理法に、Twitterでは困惑から批判まで様々な声が投稿された。
動画の女性が、この料理をこれまで作ったことがないのは明らか。白の大理石のキッチンカウンターでこんなことをしたら、シミが取れなくなっているはず
冷たいパスタソースを使うの?それだってほんの小さな問題にすぎないけれど
冷たいソースの上に、“チーズ”をボトルからぶちまけるなんてよだれがでちゃう
ソーシャルメディアでこんな風に食べ物を無駄にする人たち、うんざり
彼女は鍋を使う手間を省いて、鍋を救ったかもしれないが、イタリア料理を殺した
そんなに皿を嫌うなんて、何かトラウマがあったのか
パスタはもうちょっといい扱いを受けてもいいはずだ
動画を作成したジョシュ・フロムさんは、「楽しく料理できて、みんなも楽しめることをしたかった」とハフポストUS版のメール取材で述べた。
「高級な料理は、ハードルが高い。だから簡単で、楽しめて、なおかつ美味しい料理を作りたいんです」とフロムさんは説明する。
ジョシュ&リサのFacebookページでは他にも、「最も簡単にできるオヤツ」や「究極のパーティートリック」「高いケーキを買わずにすむ方法」など、このキッチンカウンタースパゲティと同じくらいのサプライズ料理動画が投稿されている。
ちなみに「高いケーキを買わずにすむ方法」は、大きな四角いケーキをランプで丸くくり抜く調理だ。
<高いケーキを買わずにすむ方法>
フロムさんは自分たちのフード動画を「毎日食べている物に少し工夫を加えた」と説明する。
スパゲティ動画については、「忘れられない思い出を作る一例」であり、「赤いソースは視覚を刺激し、ミートボールと山盛りのスパゲティで会話が盛り上がります」「帰る頃にはみんなお腹がいっぱいで、忘れられない夜になるでしょう」と、コメントした。
FacebookやTwitter、InstagramやTikTokなどのソーシャルメディアには、こういった奇をてらうようなフード動画がたくさん投稿されている。
フードメディアEaterは、こういったフード動画の背景にはリック・ラックスさんとジャスティン・フロムさんという二人のマジシャンがいると報じている。
ジャスティン・フロムさんは「ザ・レイト・レイト・ショー」など様々な番組に出演しているマジシャンだ。
ラックスさんは、世界的に有名なマジシャンのデビッド・カッパーフィールドさんの下で働いていたこともあるマジシャンで、Facebookには1400万人を超えるフォロワーがいる。
ハフポストUS版はジョシュ・フロムさんに、ジャスティン・フロムさんとの関係を尋ねたが回答はなかった。しかしメールの返信には、ラックスさんがCCされていた。
Eaterによると、ラックスさんは友人や知り合いを招いて、様々なヴァイラルコンテンツを作りSNSに投稿している。そのコンテンツには多くのフード動画が含まれる。
投稿者にはラックスさんやシャスティン・フロムさんに近い人物が含まれ、例えばジャネル・フロムさんはジャスティン・フロムさんの姉妹だ。またフラフープインストラクターのゲティ・ケハヨヴァさんは、ラックスさんの友人だとEaterに語っている。
ケハヨヴァさんはEaterに、動画は「楽しむため」のものであり、新型コロナウイルスで時間ができた人たちが作ったと話している。
同時にケハヨヴァさんは「これは人々に『ナニコレ』と言わせるためのもの」であるとも認めている。
その点については、成功していると言っていいだろう。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。
Source: ハフィントンポスト
台の上で作る豪快すぎるスパゲティにSNS困惑。拡散するフード動画の背後にいるのは…