「大阪王って知っとる?」。関西在住の友人から餃子を食べまくっている私にそのような連絡が来たのは先日のこと。てっきり大阪王将かと思ったら、どうやら大阪を中心に展開している餃子専門店のことを言っているらしい。
加えて相当な人気とのことなのでググってみると……ふむふむ、大阪市都島区にある店舗が総本山で1969年創業の老舗とな。その歴史は50年以上、兵庫にもお店があるようだが、私の住んでいる都内にはないので残念だ……と思いきや、通販やってた! いっちょ食べてみるか!!
・店名から溢れる自信
頼んでみたのは初めての人にオススメだという極旨餃子3箱54個セット(税込2786円・送料990円)。なんでも大阪王の餃子は、日々の生産に限りがあって受付制限をしているらしい。
それを聞くだけでも期待してしまうが、同封されたパンフレットには「さらに進化を遂げた大阪王は今、関西餃子界の頂点に登りつめる」や「日本一の餃子を目指す」と書いてあるからスゴい自信だ。
「王」の冠も店名に入れているし、そこらへんの餃子と結構な差がありそう……というかないと反逆モノである。もしダメなら王座から引きずり下ろしに大阪まで行くしかない。
・キレイな羽根が出来るタイプ
まぁそれは冗談として届いた箱を開けてみると、雪化粧のように白くなった餃子がキレイに並べられていた。注目すべきはその白さ。餃子にもいろんなタイプがあるが、大阪王のものはコーンスターチと思われる粉がついていてキレイな羽根ができそうである。
実際、お湯をかけて熱したらトロみが出てきて……
ホラ! 網目の羽根ができてきた!!
あとは頃合いを見計ってひっくり返せば……
大阪王の餃子の完成〜! 匂いをブイブイ撒き散らすわけでもなく、作った段階で牙を剥いてくるタイプの餃子じゃなかったがお味はいかに。それでは実食!
・完成度の高い餃子
1つ1つのサイズとしては大きすぎず小さすぎず、一口でパクリといけてしまうタイプ。で、味を結論から言うと相当ウマかったのだが、具体的にどういうところがよかったのかというと……まずは皮!
なんと言っても焼いた面……板のように分厚くなっている皮のガリガリくんが最高だった。というのも……
噛んだら「バリッ!」と音が出るくらいの歯応えがあって皮のインパクトをしっかり残してくるのだ。で! で!! で!!!!
メリハリが効いていて中身も素晴らしいから驚かされた。皮ガリくんでアタックしてきたかと思えば、そこから生姜がワンパン入れてきて……からの〜キャベツなどの餡が一気に滑り込んできて淀みない流れで攻めてくる。
それでいて、生姜が口の中に余韻を残してくるからたまらない。ちなみにパンフレットを見たら「生姜は少し大きめにカット」と書かれているあたり、すべては計算の上に成り立っているのだろう。これは実力がないとできない技!
そして生姜は生姜で宇都宮の「正嗣(まさし)」を彷彿(ほうふつ)とさせるあたり、全国的に見てもレベルが高い。ファンがつきそう……っていうかついてるから50年以上も専門店でやっていられるのだろう。自称「関西餃子界の頂点」も納得だ!
白米とも合う味だし、スッキリさせるところはスッキリさせているからお上手。どの角度からでも欠点が見当たらないあたり、俗に言う「星3つ」というやつである。
関西の人からすると当たり前の存在なのかもしれないが、これはいいものだ。近所にあったら間違いなく常連になっている。それくらいウマい!
・タレなしでOK
「日本一の餃子を目指す」──というのは決して絵空事じゃなかった大阪王の餃子。爽やかな味付けのタレも悪くないが、できたらノータレ。そのままで食べることで、細部まで味わえるので何もつけないことを推奨したい。
そこはかとなく “大阪らしい” 味つけというか食感もしたし、それにしても完成度が高かった……。ここまで高められた餃子はそんなに出会えないし、いつか店舗で焼き立てを食べてみたいなァ。
参考リンク:大阪王
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.