マイクロソフトが、「Office LTSC」「Office 2021」クライアントのリリース予定などを明らかにした。サブスクリプションでの利用や定期的なアップデートが難しい顧客を想定したバージョンだ。
Microsoftは「Office」の「永続」ライセンス版(非サブスクリプション版)をリリースする準備を進めており、その詳細を米国時間2月18日に発表した。これらの製品は2021年後半に提供予定で、生産性ソフトウェアに「Microsoft 365(旧称Office 365)」を利用できない、もしくは使用したくないユーザーを対象としている。
Microsoftは2020年9月に、Officeクライアントの永続版を「Windows」と「Mac」向けに、2021年後半に提供する計画をブログで発表した。
同社は、WindowsとMac向けに、Officeクライアントの永続版を2種類用意する。「Office LTSC(Long Term Servicing Channel)」は、大企業や政府機関のユーザー向けで、4月に商用版のプレビュー版を提供する。コンシューマーと中小企業向けの「Office 2021」については、プレビュー版の提供時期を明らかにしていない。「Outlook」「Word」「Excel」「PowerPoint」が含まれるとみられるが、新機能の詳細は一般提供の時期が近づけば発表するとしている。
LTSCという名称は、頻繁に新機能のアップデートが行われない「Windows 10」のエディションで使用されている。そしてこれまで、最長10年間のサポート(5年間のメインストリームサポートと5年間の延長サポート)を受けることができた(次期Windows 10 LTSCのリリースは2021年に予定されていると発表されている)。
Microsoftによると、Office LTSCとWindows 10 LTSCのサポート期間はいずれも5年間になる。
Microsoftは、Office LTSCが「特定の状況の限られた場合」向けのエディションだとしており、単にクラウドやサブスクリプションモデルを使用したくないユーザーに限らず、例えば、数年に1度しか機能アップデートを受けられない規制デバイスや、ロックされている製造向けプロセス制御デバイスや特殊システムなどを対象としている。
Office LTSCには、Microsoft 365アプリで通常利用できる機能のサブセットが含まれる。新しいOffice LTSCの機能にはアクセシビリティーの改善、Excelの動的配列やXLOOKUPなどの機能、複数アプリでのダークモード対応、Word、Excel、Outlook、PowerPointでのパフォーマンスの向上などがあるという。
Office LTSCには、「Skype for Business」クライアントアプリは同梱されないが、「Microsoft Download Center」からダウンロードできる。「Microsoft Teams」アプリが同梱される。また同社は「Office Professional Plus」と「Office Standard」、そして個別の永続版ソフトの価格を、一般提供時に「10%引き上げる」としている。Office 2021については、現行のOffice永続版の価格から変更はない。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
Source: CNET
マイクロソフト、「Office LTSC」「Office 2021」のリリース予定など明らかに