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北海道・函館のグルメといえば、「イカ」をはじめとする新鮮な海の幸ですよね。
街には「活イカ」と書かれたのぼりがたち並び、土産店にはイカの塩辛などの加工品がずらりと並びます。
しかし、それだけではありません。
函館には、地元民がこよなく愛するグルメが、他にもたくさんあるんです。
函館周辺にしかないハンバーガーチェーン。函館でランチと言えばこれ、というお弁当。さらに肉料理も。
函館にハマった記者のお勧めグルメ3選をご紹介します。
鶏肉ではなく豚肉?函館のソウルフード「やきとり弁当」とは
「ハセストの『やきとり弁当』」という言葉を聞いたことはありませんか?
函館旅行に行ったことがある人であれば、誰でも知っている「ハセガワストア」の看板商品です。
ハセガワストアは函館市で創業したコンビニエンスストア。
やきとり弁当は1978年9月に発売されて以来、地元住民らに愛されるロングセラー商品となっています。
函館出身のロックバンド「GLAY」のメンバーが紹介したことがきっかけで、全国的に注目されるようになりました。
そんなやきとり弁当ですが、使われているのは、鶏肉ではなく豚肉なのです。
同社のホームページによると、北海道の道南エリアでは、一般的に「やきとり」とは豚肉の串焼きのことを指します。
詳しい理由は分からないのですが、函館を含む道南地区は養豚場が多く、鶏より豚が安価に手に入りやすくなったことが考えられるということです。
ハセガワストアに限った話ではなく、函館では「やきとり」を注文すると、四角にカットされて串に刺さった豚肉が普通に出てきます。
ハセガワストアに入ると、串を焼く香ばしい匂いが店内に充満しており、それがなんとも食欲を刺激してきます。
今回はタレ味を食べてみました。
濃厚なタレが豚肉に染み込んでいてとてもおいしい。隠し味で赤ワイン「はこだてわいん」をシュッシュッと吹きかけており、肉も柔らかくなっています。
シンプルですが、ご飯の上には海苔がしかれ、豚串との相性も抜群でした。
函館の“ソウルフード”、皆さんもぜひ食べてみてください。
創業120年の「すき焼き」に、思わず“うますぎる…”と声
次は、明治から続く老舗すき焼き店「阿さ利本店」です。
創業は1901年で、函館駅から徒歩15分ほどの宝来町にあります。
古くて趣のある建物に白のれんがかけられ、いかにも老舗という感じですが、1階には精肉店があり、近所の人たちが食材を買いに来ていました。
函館市が運営する市公式観光サイトによると、激選された黒毛和牛のすき焼きが個室で食べられます。味はもちろん、値段も含めて満足度が高いと書かれています。
やはり人気店。私が函館に滞在していた二日間は、昼も夜も予約でいっぱいで、店内で食べることはできませんでした。
諦めて予約の電話を切ろうとすると、お弁当はかろうじて予約が埋まっていないということで、ガッツポーズ。
こうして、老舗のすき焼きを食べられることになりました。
味は「すばらしい」の一言。思わず「うますぎる」と声が出てしまうほどでした。
肉だけでなく、豆腐やシイタケ、ネギ、白滝まで完璧です。味にまとまりがあり、旨みや甘さがストレートに伝わってきます。
秘伝の割り下も絶妙な甘さで、ものの数分で完食してしまいました。正直、今まで食べたすき焼きの中で最もおいしい店の一つに入ります。
お弁当でも大満足でしたが、次回はできるだけ早く予約して、店舗で食べたいと心から実感しました。
「チャイニーズチキンバーガー」は知っていますよね?
最後は、函館のご当地ハンバーガーです。
黄色い看板が特徴の「ラッキーピエロ」は、函館市周辺だけに17店舗、出店しているバーガーチェーン。「ご当地バーガーランキング」など、さまざまなメディアで取り上げられています。
函館を歩いていると、点在するコンビニを見るような感覚で、ラッキーピエロのお店を見つけることができます。それだけ地元の人々や観光客に愛されているのでしょう。そして、この味を食べたければ、函館に来るしかありません。
ホームページにある王一郎会長のインタビューによると、幼い頃にテントのサーカスを見たことがきっかけで、「ワクワクドキドキするサーカスのようなお店を作りたい」と考えたそうです。
人気ナンバー1は、揚げた鶏肉にからむ甘辛いソースが食欲をそそる「チャイニーズチキンバーガー」。王会長の母親がお客をもてなした鳥料理と、アメリカから来たバーガーが融合したメニューとのことです。
まず、バーガーが大きく、見た目にパンチがきいています。
厚めのバンズと、その間に挟まれた唐揚げ、そして目玉焼き。すごいボリュームです。
かぶりつくと、バンズは意外にもフワッとした食感でした。唐揚げはプリプリで、甘辛いタレが口の中で広がっていきます。
レタスもシャキシャキで、ちょうどいいアクセントになっています。
今まで食べたことがないバーガーで、とにかく函館でしか食べられないというオリジナル性を感じました。大きさもパンチがきいています。
一つ食べただけでお腹はいっぱい。でも、またすぐに食べたくなる。函館に来たら絶対に食べたいと思わせるおいしいバーガーでした。
GLAYのTERUさんも取り上げたアンチョビ
もう一つおまけです。
こちらは「店内で食べる」といった形態ではありませんが、函館で勢いを見せている「ハコダテアンチョビ」という商品です。
函館ではいま、代名詞である「イカ」の漁獲量が激減しています。
地元の産業衰退に危機感をもった地元有志がタッグを組み、近年大量に獲れるようになったマイワシを使ってアンチョビを開発しました。
2022年11月から販売を開始し、4月末までに約3500本が売れました。函館出身のロックバンド「GLAY」のTERUさんがYouTubeで取り上げた影響もあり、観光客にも人気だそうです。
函館で取れるマイワシは身が大きくて脂がのっており、高級品に近いとされています。
また、オリーブオイルではなく米油を使っているので臭みがなく、和食にもあいます。記者の場合、豆腐に乗せて食べるシンプルなスタイルがアンチョビの味を直に感じることができておいしかったです。
旨みとコクが口いっぱいに広がるハコダテアンチョビは、函館空港や複合施設「シエスタハコダテ」などで販売されています。
ハコダテアンチョビの開発で中心的役割を担った岡本啓吾さんは、「地元のリピーターも多く、おかげさまで製造が追いついていません。瓶詰めをしてくれている就労支援施設での雇用も増えており、ハコダテアンチョビが新しい産業になってくれれば嬉しいです」と話していました。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
やきとりなのに豚串?創業120年のすき焼き?海の幸だけじゃない…気になる“函館グルメ”3選