射精って?同意って?中学生にきちんと伝えたい。ある出版社が包括的性教育の教材を作った理由

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一人でも多くの中学生に、包括的性教育を届けたいーー。

そんな思いで、学校教材専門の出版社が来年4月、中学生向けの包括的性教育の教材『コロカラBOOK』を発刊する。

日本の学校教育では十分な性教育がなされていないという現状の中、どうにか教育現場に性教育を届けたいと、クラウドファンディングも行っている。

正進社による包括的性教育の教材『コロカラBOOK』

マンガ×動画×文章。新しい形の性教育の教材

コロカラBOOKは、中学生に「からだ」や「こころ」、そして性やからだに関して自分のもっている「権利」について知ってもらうためにつくられた。

小・中学生教材を刊行する学校教材専門出版社の正進社が手がけた。

「いまの中学生に本当に必要な教材は」「教材会社が次にすべきことは」

そんな議論を重ねる中で、10代前半で包括的性教育を学ぶ大切さを改めて感じ、教材作りに乗り出した。

包括的性教育では、からだの変化や生殖の仕組みだけでなく、からだの権利・ジェンダー・性の多様性・コミュニケーション・性暴力など、幅広い分野の知識を学ぶことができる。

専門家へのヒアリングや調査、研究を重ね、文章とマンガ、動画を掛け合わせた新しい形の教材をつくった。

少しでも性の話を身近に、わかりやすく伝えるため、教材の構成も工夫をした。まずはマンガを読んで自分ごととして捉えてもらい、助産師で性教育YouTuberのシオリーヌさんによる解説動画で詳しく学ぶという流れになっている。

性教育の教え方について学ぶ機会がなかった教員も一歩を踏み出しやすいようにと、教員はあくまで「進行役」として授業を進める。詳細な内容は動画で専門家が解説してくれる仕組みだ。

教材は、全国各地で性教育を行う産婦人科医の高橋幸子さんが監修している。

(動画:助産師で性教育YouTuberのシオリーヌさんによる解説動画)

からだの成長やジェンダー、性のあり方、性暴力など、幅広いトピックをカバーする中で、それぞれの生徒に悩みがあったり、もっと知りたいことがあったりした時のために、専門家インタビューなどの読みものや、相談先一覧も用意されている。

全国の中学生に届けたい。クラウドファンディング実施

この教材を全国各地の中学生に届けるために、正進社は現在、クラウドファンディングを実施中。

目標は全国3万人の中学生に教材を届けることで、1月15日までに600万円の支援を集めることを目指している。

正進社によるクラウドファンディング

支援金200円で教材1冊を中学生に届けられる計算で、最低支援額の3000円では教材が15人の生徒のもとに届く。

集まった支援金をもとに、コロカラBOOK事務局が、教材を使って性教育を行いたい学校を探し、発送する。

支援額はクラウドファンディングのサイト「Good Morning」で支援者が選択できる仕組みだ。

クラウドファンディングのページで、同社のコロカラ編集部はこう綴っている。

「『性』は、あらゆる人の人生に深く関わる重要なテーマであるにも関わらず、現状ほとんどの学校では十分な性教育が行われていません。一方で、子どもたちはインターネット上などの不確かな情報に囲まれています。そのような中で日々戸惑い、傷つき、そのことを誰にも相談できないでいる子どもたちがたくさんいます」

「これからの子どもたちが自分らしい選択をしていける社会の実現に向けて、どうかみなさんのお力をお貸しください」

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