台風7号が日本列島に接近中です。気圧や気温に大きな変化をもたらす台風は、天気痛で頭痛やめまいなどを起こす人にとっては辛いもの。
ウェザーニューズ気象病顧問アドバイザーで愛知医科大学客員教授・中部大学教授の佐藤純先生に、少しでも楽に過ごすための予防法を教えていただきました。
天気の変化で体調が悪化したことはあるでしょうか。ウェザーニュースが行った「天気痛調査2023(※)」では、「あなたは天気痛を持っていますか?」という質問に対し全体の7割近くが“はい”もしくは“持っている気がする”と回答しました。
※「ウェザーニュース」アプリおよびウェザーニュースのウェブサイトを通して実施。調査期間:2023年4月21日〜5月1日、回答者数:全国19,897人。
「天気痛とは、天気の変化にともなって頭痛、肩こり・首こり、だるい、めまい、眠気、耳鳴りなどの症状が出るものです。この調査では、日本人の7割近くに天気痛の自覚があるということになります。『あなたの天気痛には何が一番関係していると思いますか?』という質問に対し、8割以上の人が“気圧”と回答したのも興味深い結果です。
天気痛の人は、気圧が低下すると“気圧センサー”のある内耳を通じて脳に伝わり、自律神経が刺激されます。自律神経が乱れることで、頭痛やめまい、耳鳴りなどの症状が現れるのです」(佐藤先生)
これからやってくる台風についても心配です。
「台風は気圧が大きく変化します。そのため普段は天気痛の症状が出ない人でも身体の不調を感じることがあります。この調査でも、天気痛の自覚がある人の約9割近くが台風接近時に不調を感じたことがあり、天気痛を持っていない人の中でも1割近くが不調を経験していました」(佐藤先生)
台風による天気痛には対処法はあるのでしょうか。
「台風は気圧などの変化が大きいため、確かに天気痛の症状が現れやすいと言えます。しかし、台風は天気予報により進路の予想や接近時刻がわかります。あらかじめ予防することで、症状を軽減することができます」(佐藤先生)
天気痛の予防には、痛みや不調がひどくなる前に対策を行うとよいといいます。具体的には次のようなことを試してください。
【耳周辺の血行をよくする】
「内耳のある耳周辺や首などの血行をよくしておくことが役立ちます。手軽で効果的なのが『くるくる耳マッサージ』です。ほかにストレッチで首や肩周りの筋肉をほぐしたり、ホットタオルで耳を温めるのもよいでしょう」(佐藤先生)
【天気痛の症状に効果があるツボ】
「天気痛の予兆があったら、内関というツボを刺激します。これは酔い止めのツボですが、めまいやふらつきを解消し、天気痛の症状に効果があります。ツボは両手にありますが、左右を刺激したとき痛みや重だるさを強く感じる方が主になります」(佐藤先生)
【天気痛専用の耳栓】
「耳栓のなかでも、天気の崩れにともなう気圧変化に対応できる耳栓があります。これを使用することで耳の奥の気圧センサーを保護します」(佐藤先生)
【痛み止めの薬】
「天気痛の頭痛などで痛み止めの薬を使う場合は、『痛みが出そう』と感じる初期の段階で服用します。痛みがひどくなってからでは、痛みを感じる神経が敏感になってしまうからです(※)」(佐藤先生)
※何らかの疾患で医師から処方を受けている場合は主治医に相談します。
自分の天気痛について、把握しておくことも役立つといいます。
「天気痛の出るタイミングは人によって異なります。台風や雨で辛かったら、いつ、どのタイミングでどんな痛みや不調が出たのかをメモしておくとよいでしょう。次は、その少し前から予防策を行います」(佐藤先生)
天気予報などを活用し、天気痛予防策を講じるなどして、台風が来ても、できるだけいつも通りに過ごせるようにしたいですね。
» 気圧変化·頭痛対策の参考に<天気痛予報>
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