タレントのSHELLYさんが、ハフポスト日本版が10月11日に配信した番組「ハフライブ」に出演。ジェンダー・バイアス(性別に関する偏見や思い込み)ついて、自らの経験を交えながら語った。
番組で話し合ったのは、世界的にSTEM(科学・技術・工学・数学)分野に女性が少ないという課題について。15歳時点で理数系科目の成績に男女差はないにも関わらず、女子は大学入試に向けた文理選択で理数系から離れてしまう問題がある。背景の一つとされているのが、「女性は理数系には向かない」などのジェンダー・バイアスだ。
こうした事実を受けて、SHELLYさんは「知らず知らずのうちに私たちはみんな『女の子はこうであるべき』『男の子はこうであるべき』という刷り込みを受けているし、悲しいかな、私たちもその刷り込みをしてしまっているんですよね」と指摘。
その上で、自らがタレント活動をするなかで感じてきたジェンダー・バイアスについても言及した。かねてから、メディアに登場すると「母親」や「女性」としての一言を求められることに、少なからず違和感を覚えてきたという。
「日本ではどうしても、何よりもまず『母親である』とか『女性である』(というアイデンティティが重視されてしまう)。その次に『あなたの仕事はなんですか?』『あなたの役目はなんですか?』という(ことが問われます)」
女性や母親としての“顔”は、仕事やキャリアには本質的に関係がないにも関わらず、キャッチコピーにされてしまうーー。理系分野で活躍する女性を意味する「リケジョ」や、平井卓也前デジタル相が使用して波紋を呼んだ「デジ女」という言葉への批判にも通ずる。
SHELLYさんは、こうしたジェンダー・バイアスを乗り越えるために「一個一個気付いていくことがまず第一歩」と呼びかけた。
「男らしさ」や「女らしさ」などのジェンダー・バイアスについては、メディアが与えてきた影響も大きい。
SHELLYさんは、子どもが身近に触れるアニメにもジェンダー・バイアスが描かれていると感じることがあると話す。
「日本の昔からある有名なアニメとかでも、私は観ていて『うっ』って(苦しく)なるジェンダー・バイアスがすごく沢山あります。たとえば、お母さんが運転できないとか、お母さんが感情的になるのをお父さんが『まあまあ』ってなだめるとか、女の子が『きゃー』って叫んで、男の子が『どうしたの?』って助けに来るとか。こういうシーンってすごくよくあると思います。こういう大人が意識しないと気付かないことで、ちょっとずつ(子どもたちに)刷り込みをしてしまっているんだなというのは感じます」
一方で、最近はアニメに登場するカップルや家族の描かれ方にポジティブな変化を感じることも多くなったという。
「ディズニーが制作している『ドックはおもちゃドクター』という子ども向け番組は、お父さんが専業主夫で、お母さんがお医者さんで、女の子が『おもちゃドクター』というおもちゃ向けのお医者さんという設定だったりとか。(中略)子どもたちにはこういうコンテンツをできるだけ観せるように意識しています」
その上で、「こういう番組を当たり前に観て育った世代って超楽しみ!って思うんです。どういう感覚を持って育つんだろう」と期待を寄せた。
SHELLYさんが出演したハフライブはこちらで視聴可能【無料】↓
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SHELLYさんが訴えた、「母親として」「女性として」の“顔”が偏重されることへの違和感