「自分の味に飽きてしまった」みなさんへ。マンネリ自炊生活と向き合うコツ

新型コロナの影響から家にいる時間が増え、ごはんを家で食べる機会が増えました。家事の大変さがあらためて浮かび上がります。日々のごはん作りを担当されている方、毎日本当におつかれさまです! 炊事に関するお悩み、共有していきませんか。そして「誰かに作ってもらっている人」も、ぜひ読んでください。ねぎらい合うためのヒントが、必ずやあると思います。

第13回 東京都 すずめさん 35歳

ひとり暮らしで自炊をしていますが、毎日作っていると味がすべて似たようなものになってしまいます。

同じような食材を使っているわけでもなく、調味料も塩コショウ、味噌や、ケチャップ、焼き肉のたれ、めんつゆなどいろいろ使っていますが、味に新鮮さを感じなくなっています。

日々の自炊で新鮮さを感じるようにするにはどうしたらよいでしょうか。

 

「自分の味に飽きてしまう」

私も定期的に陥りますよ。マンネリを感じて、自分の料理が「すべて似たようなもの」に思えてしまう―――自炊生活を送る人には共通の悩みじゃないでしょうか。

打破方法もいろいろありますが、まずひとつ目には「打破しない」というのがあります。「自分で料理している以上、しょうがない」と割り切る、開き直るということ。解決になってないと思われるかもですが、私は大事なことと本気で思っています。

同じ人が作る以上、同じような味になるのは仕方のないこと。だからこそ、たまの外食が楽しく、誰かが作ってくれた料理が印象的になる。要は「マンネリはいけないことじゃない」とお伝えしたいのです。同じような味しか作れない、ということを「自分は料理下手だ、センスがない」と悩まれる人もいるのでね。自分の味つけに飽きてしまうということは、自分なりの料理が作れるようになっている、ということでもあるんです。これは大したことなんですよ。

ただ、新鮮味が欲しいというのは非常によく分かるんです。

先ほども書きましたが、たまの外食などで新鮮なおいしさを感じ、印象に強く残った料理なんて、すずめさんはありませんか。それを作ってみるの、新しい世界を広げるのにすごくいいんです。

私は昔タイ料理にハマったとき、自分で作ってみたことがとてもいい経験になりました。食材の組み合わせ方や、基本的な味のベースの作り方が今までに覚えてきた料理とまったく違って、新鮮な体験の連続でとても楽しくてね。作ったことのない料理ジャンルに挑戦するのは、マンネリを感じているときにとても有効です。

もっと身近なことでもいいんです。

すずめさんはお便りに「めんつゆや焼肉のたれ」を使われていると書かれていましたよね。では、めんつゆや焼肉のたれを自作してみませんか。どちらも存外、難しくありません。既製品は安定のおいしさで熟成感のある味わいが魅力ですが、また違ったフレッシュな良さを体験できると思います。「日頃買っているものを作ってみる」って、レベルアップ感を得やすい行動なんですよ。

私は自炊し始めの頃、ふと気が向いて料理番組で紹介されていた「冷やし中華」のタレを作ってみたことがあります。作ってみたら、「おおー、売りものみたいな味を自分が作れた!」ということが大きな励みになったんですね。「自分、すごいじゃん」とちょっといい気になりまして(笑)。それが日々の料理を続ける上で、しばらくモチベーションとしても作用してくれました。

すずめさんは自分の味にマンネリを感じ、それを打破したいと思っている。料理に対して向学心がある証拠ですよ。これだけでもすごく尊いこと。そして最初に書いたようにマンネリを感じるのは誰しもあります、プロの料理人でも同様の人はたくさんいるんですよ。何より無理せず、日々の料理をうまいこと続けていってください。

※引き続き、日々の自炊、食事の用意に関してつらいこと、悩んでいること、大変に感じていること、こちらから自由にお送りください。お名前(ハンドルネーム可)、年齢、できればお住まいの地域もご記入ください。

白央篤司(はくおうあつし)

1975年生まれ。「暮らしと食」、郷土料理やローカルフードがメインテーマのフードライター。CREA WEB、Hot Pepper、サイゾーウーマン、hitotemaなどで連載中。主な著書に『にっぽんのおにぎり』『ジャパめし』『自炊力』『たまごかけご飯だって、立派な自炊です。』など。家では炊事全般と平日の洗濯、猫2匹の世話を担当。Twitterブログ

 (編集:笹川かおり)

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Source: ハフィントンポスト
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