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「この時が来るのをずいぶん長く待っていました」
アメリカ・ワシントン州で暮らす105歳のバージニア・ヒスロップさんが6月16日、カリフォルニア州にあるスタンフォード大学教育大学院で開かれた卒業式で修士号の証書を受け取り、こう語った。第2次世界大戦によって学生生活が「中断」され、80数年越しの学位取得となったヒスロップさんはうれしそうに笑顔を見せた。
【動画】ガウンを着て卒業式に出席するヒスロップさん。105歳の笑顔がなんとも素敵
同大学院のニュースリリースによると、ヒスロップさんは1936年に同校に入学した。1940年に教育の学士号を取り、教師をめざして修士課程を始めた。
ところが、ヒスロップさんが修士論文を出す直前、大学に設置された予備役将校訓練課程に在籍していた交際相手が第2次世界大戦中に召集されることになった。ヒスロップさんは学業より結婚して家庭を持つことを優先することにし、キャンパスを去ることを決めた。
ABCニュースによると、ヒスロップさんはすでに必修科目をすべて履修済みだった。
ヒスロップさんは移り住んだワシントン州で教育活動に力を入れた。娘が通う学校に家庭科コースを取るように提案された際には、「料理は家でも学べる。学校ではもっとアカデミックなことを勉強する方が大事」と考え、上級英語を履修できるように働きかけた。
この働きかけをきっかけに、ヒスロップさんは地元の教育委員会に加わり、子どもたちを成功に導くため、何を教わるべきか発言するようになった。教育委員会で10年以上にわたって取り組みを続け、最終的には州レベルにまで活動の幅を広げていった。同州トペニッシュにあるヘリテージ大学の創設にも携わったという。
105歳になっても本の虫で、学ぶことに意欲的なヒスロップさん。義理の息子がスタンフォード大に連絡を入れたところ、修士号の取得に卒業論文は必須ではないことが判明し、今回の卒業式参加につながったとガーディアンは伝えている。
同大学院トップのダン・シュワルツ教授は「多くの人にとって学位は成し遂げたことへの証しです。我々はヒスロップさんに学位を授与しましたが、本当に大切なものをもらったのは我々の方なんです」と話し、ヒスロップさんの卒業を祝った。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
105歳がスタンフォード大学から修士号。「この時が来るのをずいぶん長く待ちました」と笑顔はじける