協力者「すごい吹雪だ! これ以上は無理ですよ!」
男「いや……このぐらいの天候じゃないとイエティは現れない!」
協力者「これ以上は付き合いきれない! 俺はもう引き返します!」
男「ああ、好きにしろ」
ザクザクザク…
協力者「ったく、なんて執念だ……」
協力者「巷じゃ“UMAオタク”だなんていわれてるらしいが、イカれてやがる!」
吹雪の時に外に出てくるって生物の行動としておかしいだろ
男「ん!」
男「この足跡……間違いない! イエティだ!」
男「これを……たどっていけば……」
ザッザッザッ…
男「あっ!」
イエティ「……ウホ?」
男「あれは……イエティ!」
イエティ「ウホ……」
男「初めまして、日本から来ました」
イエティ「ウホホホホ」
イエティ「ウホ」
男「え、洞窟まで案内してくれるの? ありがとう!」
男「これは……木の実で作ったスープか。いただきます!」ゴクッ
男「うん……素朴な味でおいしい!」
イエティ「ウホッ、ウホホッ」
男「後で一緒に写真撮らせてもらってもいいかな?」
イエティ「ウホッ!」コクッ
…………
……
男「ありがとうございます」
記者「イエティを見つけた時はどんな気持ちでしたか?」
男「とにかく嬉しいの一言に尽きます」
記者「今後のご予定は?」
男「とりあえず、このことを恋人に報告して、その後はツチノコ探しですかね」
記者「幻のヘビですね。“UMAオタク”のさらなるご活躍に期待してます!」
男「集めた情報を整理すれば……この森の中に……ツチノコがいるはず……」
男「……!」
男「この這ったような跡……もしかして!」
男「よし、俺もツチノコのような姿勢で……」
ズルズル…
男(ツチノコになった気分で、森を探索するんだ……!)
男「!」
男「いたーっ!」
ツチノコ「……」モゾモゾモゾ
男「そこだ!」パシッ
男「よし、捕まえたーっ!」
ツチノコ「……」
ツチノコ「……」
オオッ…
「さすが、“UMAオタク”だ」
「すげえ……」
「爬虫類学者によると、マジで新種のヘビらしいぜ」
ワイワイ…
男(いわずと知れた、ものすごいスピードで動く白い飛行生物だ)
男(今ではスカイフィッシュの正体は虫だなんていわれてるけど、俺は信じない)
男(“UMAオタク”である俺が捕まえて、スカイフィッシュの実在を証明してやる!)
男「スカイフィッシュが多く目撃されてる土地にやってきたが……」
男「……」
男(罠を仕掛けつつ気長に待つしかない。未知との遭遇のコツは忍耐と工夫だ!)
男「!」
男(今たしかに俺の横を何かが横切った!)
シュンッ
男「まただ!」
男(俺は確実にスカイフィッシュに近づいている! ようし……!)
シュンッ
男「今度はこっち!」
男(次で捕まえてやる……!)
男(ここに網を!)パサッ
シュンッ
ズボッ!
男「やった!」
スカイフィッシュ「……!」ビチビチッ
男「おお、ちゃんと細長くて白い体をしてる!」
男「やぁ!」
男「スカイフィッシュを見つけたおかげで、また“UMAオタク”としての名が上がってね」
男「テレビ出演やらなんやらで儲けたから、今日はプレゼント買ってきたんだ」
男「どう? このバッグ、気に入ってくれるかい?」
…………
……
男(狙いはもちろんネッシー。かつて世間を騒がせた怪獣だ)
男(例の首を出した写真は捏造で、今ではネッシーなんかいないというのが常識になってるが)
男(そういう常識を打ち破ってみせるのが、俺の役目であり使命!)
男(ネッシーを見つけるまでテコでも動かないぞ!)
男「……」
Source: みじかめっ!なんJ
男「イエティ・ツチノコ・スカイフィッシュでさえ見つけられる俺だけれど……」